Accurascale IIA Biomass Bogie Hoppers

2023年最初の記事は、AccurascaleのIIA Biomass Bogie Hoppers の導入です。

DapolのICA Silver Bulletに続く現代貨物シリーズの第2弾として、AccurascaleのBogie Hopper Wagonを選びました。Accurascaleからは以下の3種類がリリースされています。

どれも良さそうなのですが、

  • 屋根があると、積載物を別途細工しなくて済む。
  • Rails of ShefieldでWeathered版の特装品がある。

という手抜きな理由で、3つ目のIIA Biomass Bogie Hoppersが4セット合計8両がやってきました。

気になるのは、発売されたのはもう1年以上前なのに、なぜか結構売れ残っていること... 見た感じはとてもよくできているのになぜか。その理由は後々判明するのですが、まずはFirst Lookから。

車体、フレーム、足回りいずれもよくできていて、別パーツで細かく表現されています。また表記関連の印刷も随所に入っており、ロゴに関してもGBRf / VTGのロゴのみならず、Fristグループのロゴを消した跡(左上写真参照)まで再現されている細かさです。

また1両には、電池式で稼働するテールランプ(下写真赤矢印)が取り付けられています。

磁石固定されている車端の妻面を取り外すと、ボタン電池(LR41 x 2 )を入れる場所(写真下赤矢印)があらわれます。

ここに電池を嵌め、付属の磁石スティックでオンオフします。

カーブが曲がれない?

準備万端、いざ試走と思いきや、カーブに差し掛かるところであっさり脱線。あれあれ?何が起こっているのかとひっくり返して見ると。

ボギー台車、片方向にはちゃんと首を振る(写真左)のですが、反対方向には床下の造作が干渉して曲がってくれません(写真右)。両側の台車とも同じ状況で、これでは脱線するわけです。

干渉している箇所は走行時にはまず見えないところ(写真左)なので、干渉しないところまでえいやとヤスリで削ることにしました(写真右)。

修正作業としては単純ですが、8両分をすべてやるのはそこそこ面倒ではあります。削った量はおそらく0.5 mmぐらいで、このたった0.5mmの出っ張りが製品を台無しにしていました。

8両とも同じ状態ということは個体差ではなく、設計上の問題か、あるいはパーツの精度の問題か... いずれにしても出荷前のどこかの段階でテスト走行していれば一発で見つかるはずで、まさに「どうしてこうなった」という感じです。

売れ残っている理由も、この問題の存在が広まってしまっているからのように思われます。ただ削るだけで問題は解消され、見た目にも問題はないので、買って損はないと思います。

それでは最後にいつものように動画でどうぞ。

 

一通の手紙

つい一昨日のこと、夜遅くに帰ってきた高3になる息子から、空になった弁当箱とともに一通の手紙をもらった。この先、卒業まで授業も定期考査もなく、今日が最後の弁当になったということで、中高6年間の弁当に対する感謝の気持ちが綴られていた。正直自分が子どものときに親に手紙なんて書いたことはなく、家に手紙を書く習慣を持ち込んだのは奥さんの方だったのだけど、もらうと素直にうれしいものである。もちろん直接感謝の言葉をもらうのもうれしいが、こうして手紙になっていると形として残るので、またふとしたときに思い出すことができる。

そういえば、先日の金曜ロードショーで放映された「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」も、ヴァイオレットの足跡を尋ねてエカルテ島を訪れたデイジーが、両親に宛てて手紙を書くエピソードで締め括られていた。手紙で思いを伝える。作品の重要なテーマではあるが、正直そのデイジーの手紙も、直前のヴァイレットがギルベルトに宛てて書いた最後の手紙も、どちらも観ている自分がやや置いてけぼりな感じには思えた。

手紙というのは文面で読まれるのではなく、実際に送り手が書いている様を想像できるところに力があるのであって、内容がパーソナルであればよりハイコンテキストとなる。残念ながら、いずれの手紙の場面も、エピソードとしてはわかりつつも、手紙が持つ本来の力を、画面越しの第三者が共感を持って受け止められるようにはなっていなかったように思う。(ちなみにユリスの手紙も自分にはダメだった)ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は手紙が物語の大きな軸であるのだが、やはり劇場版では色恋沙汰の決着に気を取られていたので、仕方ないところなのだろう。

同じ作品でも「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝ー永遠と自動手記人形ー」では、手紙が非常に効果的に物語の軸を構成していたように思う。終盤、イザベラに渡されるテイラーからのたった一文の手紙は、一文であるがゆえに、観客の誰もがその手紙に込められた思いを実感できたのではないだろうか。

「わたしはテイラー・バートレット、エイミー・バートレットの妹です。」

もしまだ未見の方がいらっしゃったら、是非とも外伝の方を観て「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」が持つ、本来の美しさに触れていただければ幸いである。

Heljan Class 45/1 'Peak'

今年はDiesel Engine Yearだと意気込んでみたものの、なかなか製品がリリースされずに年の瀬を迎えようとしていたところでしたが、ようやく待望の新製品がやってきました。

Heljan Class 45/1 'Peak' 45133 in BR blue with sealed beam marker lights

軸配置1Co-Co1の大型Diesel Engineで、Accurascaleからリリース予定のMk2b客車の牽引機として導入しました。シンプルな形ですが、足回りや運転席周りも細かく作られていて、満足のいく出来です。

いつものようにDCCサウンド化。デコーダーはRoads and Railsに発注しました(LokSound5 with Legomanbiffo)。今回の期待は、なんといってもこのEM1スピーカー。

手持ちのものではHattons Class 66が同じスピーカーを使っていて、ディーゼル特有の野太いサウンドが出せる唯一無二の代物です。もちろんそれなりのスペースが必要ですが、Roads and RailsのHeljan Class 45フィッティング動画でEM1スピーカーの使っていたこともあり、自分も挑戦してみることにしました。

まずは、スピーカーの両端にある固定用の出っ張り部分を切り落とします。

全体の配置はこんな感じ。お誂え向きのようにEM1が収まります。基板にスピーカー用のコネクタが用意されているので、取り付け時のハンダも不要です。

ただこのままだと、ボディをねじ止めするための柱(赤矢印)が干渉してしまうので、スピーカーの一部(赤点線円)を削ります。

前述の動画では「ハンダごてを使った」と言ってたので、同じようにハンダごてで柱の位置に合うように溶かします。

するとこんな感じで、柱の間にスッポリ収めることができました。

これでほぼ作業は完了なのですが、追加でひとつ工作が発生。

EM1を載せている台は中央部からの片支持で下支えがないのですが、どうもボディを嵌めると台が下方向にたわんで(黄矢印)、スピーカーと台車ギアボックスが干渉してしまうようです(黄バツ印)。

そこでプラ板で下支えを作り(赤点線枠)、台車に干渉しないようにしてあげました。

以下、おまけ。

先日の日本鉄道模型ショウで手に入れたClass 37/4 Colas Rail Freight塗装も、同じくDCCサウンド化しました。

Bachmann 32-389 Class 37/4 37421 in Colas Rail Livery

スピーカーは、20x20x7mmのMiniBassを2個搭載です。

あとはこのままボディを嵌めるだけと思っていたのですが... ハマらない。中央部寄りスピーカーが下にある配線のためわずかに出っ張っているの(写真左)ですが、これが天井のファンを固定するパーツ(写真右、赤点線枠)と干渉しているようです。

ボディ天井に取り付けられたパーツを取り外してみると、こんな感じ(写真左)。パーツを取っ払うと当然嵌まるのですが、グリルファンがなくなってしまう(写真右)ので、それは避けたいところ。

干渉しているのはファンより右手の部分なので、ファンだけ残して右部分を切り離します。

ファンを残しつつうまく干渉を避けることができました。

というわけで、いつものように走行シーンは動画でどうぞ。

 

「すずめの戸締まり」感想※ネタバレあり

とりあえず2回観た時点での感想をつらつらと。

君の名は。」「天気の子」に続き、新海誠ディザスタームービー三部作の殿となった「すずめの戸締まり」は、東日本大震災そのものに直接切り込んだ作品となりました。前作2作品もそれを彷彿とさせる場面(隕石による町の破壊と学校への避難、水没による強制移住など)は見られましが、今回は主人公が被災者そのものであり、津波によって亡くなった母への別れを告げ、そして自らを助けるお話であったと思います。

パンフレット等にも新海監督のコメントとして書かれていましたが、こうした実際の災害を作品で取り扱うのは相当の覚悟が必要だったでしょう。現実に東日本大震災で被災された方のみならず、阪神淡路大震災北海道南西沖地震など、日本には地震あるいは津波で被害を受けた相当数の方がいる。一方で、東日本大震災についていえば、いまの高校生でぎりぎり覚えているかどうか、中学生以下となると、それはもはや過去の出来事としてしか捉えることができなくなっているというのも、また事実なのです。そしてその両者のどちらとも、観客として作品を受容する可能性がある。受け止め方が異なる相手に届くよう正面から何かものを言うというのは、本当にしんどいことだったと思います。

映画の中で携帯から流れる緊急地震速報地震の予兆の演出として何度も使われていましたが、劇場の各所で注意書きが書かれているように、この音がトラウマになっているひともいます。しかしそれを敢えて隠さなかったのは、より若いひとへのメッセージ(そして年月を経るにつれそれは増える)に重きを置いたのではないか。この作品の真ん中に、教師を目指す大学生二人と、母と同じく看護師を目指す主人公を持ってきたのは、これからを生きるひとへのメッセージを送るという意味において成功していたように思います。と同時に、少しずつ衰退する日本という国を「いまいっときでも」長く生きながらえさせたいという、祈りのようにも思えました。

映画の中で自分が特に印象に残っているのは、愛媛の女子高生・千果との出会いと彼女の家(旅館?)での一晩の邂逅、そして神戸のスナック“はぁばぁ”での子守とそれに続く真夜中の食事です。どちらもお話の本筋からはやや外れる部分ですが、本当に丁寧に描かれていて、新海誠の新境地を見た思いです。美しい風景や廃墟はそれ自体見栄えするものですが、旅館のごちゃっとした一室やスナックの中は、実写でやったら野暮ったさの極み。でもそれを見事に新海マジックで温かく美しいものに仕上げている。アニメーションならでは、アニメーションでなければ表現できなかった場面だったでしょう。また、知らない土地でひとからもらう優しさというのは何物にも替え難く、新神戸駅での別れのシーンは涙がこぼれる思いでした。

そしてなんといってもラスト。冒頭、常世で幼い頃の自分が出会ったその相手は、亡くなった母ではなく、その後成長した自分自身だったというのは「先生、怪作『星を追うこども』の借りをついに返しましたね」という思いでいっぱいでした。自分はちょうど新海監督と同い年で、彼も自分と同じく歳を重ねていることにも少しほっとしたというか、何か妙な共感を覚えるのでした。

ただ敢えて厳しいことを言うとすれば、いま直近で世の中を揺るがしているのは天災ではなく人災というべきものであり、東日本大震災でも「津波の霊たち 3・11 死と生の物語」のような話もあったのです。例えば「天気の子」の終盤で、陽菜の救済に向かう帆高が立ち塞がる警官に向けてぶっ放した弾が、警官に当たって誰かが死んでいたら、それでも彼が陽菜を助けに向かったことは正しかったと言えるのか。それとは気づかず命と命のやりとりをしているのだという、そういう自覚の上で問題に挑まなくてはいけない世代に差し掛かっていると思います。三部作を作りきった新海監督がどのような方向に進むのか、まだまだ楽しみは終わりません。

OO9レイアウト製作記・第7回「地形造成」

今回は地形造成のお話です。

山を作る

レイアウト上に山を作るときに使う素材で、最初に思いつくのはスタイロフォームです。実際にLlancont Railwayのレイアウトでは、厚みのあるスタイロフォームを重ねて切り通しを作りました。

今回は切り通しではなく、周回線路の一部を覆う山となるので、線路を通すトンネル部分を作ったり、メンテ用にトンネル内にアクセスする仕組みが必要(例えば山そのものを取り外せるようにするとか)など、スタイロフォームで組み上げていくにしても、それなりに工夫が要りそうです。また山全体のボリュームもあるので、積み上げたスタイロフォームから最終的な山の形状を切り出していく作業も、そこそこ大変になりそう。スチロールカッターを導入しないといけないかもしれません。

そこで新しい試みとして、KATOのジオラマ造形シートを使ってみることにしました。

分厚いアルミ箔(写真左)に起毛生地(写真中・右)を貼り合わせたもので、斜面や崖など作りたい地形に合わせて、シートを折り曲げたり凹凸を作ることができます。造形シート単体でも自立可能ですが、ベースボード上に造形シートを固定する何らかの支えを作り、その上に目的の形にした造形シートを載せることで、広い範囲の地形を一気に構築することが可能です。造形シートを固定したあとは、表面に石膏を塗って下地を作り、その上にさらに装飾を重ねていくことができます。

手はじめに、ベースボード端、山の断ち切り部分にあたる壁をスチレンボードで作ります。この壁で造形シートを支えることになるので、5mmのスチレンボードを2枚貼り重ねて強度を出しました。

この壁を支えとして、ざっくり造形シートを置くと以下のような感じです。

造形シートの幅が460mmなので、奥側の斜面の部分(A)と手前のしっぽのように伸びている部分(B)の2分割の構成で進めることにしました。また引き込み線奥に、別途堤(C)を配置します。

奥側(A)については、造形シートの下にトンネルの空間を作るため、断ち切り壁の内側を黒く塗り、黒色のカラーボードで遮光用の壁を手前にも立て(写真左)、同じボードで天井も蓋をしました(写真右)。

そして断ち切りの壁それぞれに、トンネル内メンテ用の点検口を設けて、手が入れられるようにしました。

手前側(B)については、しっぽの形に切り出したスタイロフォームを造形シート固定用の土台として使い、その上にスチレンボードを立てて造形シートの膨らみ部分を支える構造としました。

また堤(C)も同じように、スタイロフォームと造形シートの組み合わせで作りました。

以下、全景です。

崖面を作る

さて山が出来上がったところで、崖にあたる部分を石膏で作ります。KATOから出ているWoodland Scenicsのシリコンモールドと、軽量石膏を使いました。

石膏溶き→流し込み→硬化→取り外しをだいたい1時間サイクルで回して作っていきます。

半日かけて5回繰り返し、いい感じの崖面たちが出来上がりました。

1週間放置して乾燥させたのち、造形シートで作った山に合わせて配置を考えます。

どの崖面をどの位置に使うかをマーキングして、その後の工程に備えます。

石膏による下地造作

いよいよ造形シート表面にジオラマ用石膏を塗り、軽量石膏で作った崖を貼り合わせて、全体の下地を作っていきます。

ジオラマ用石膏が固まるタイミングの見極めが難しく、突然固まり始めるので若干苦労しました。一度に大量の石膏を溶くと、塗り終わる前に固まってしまうので、小分けに溶いては塗り、溶いては塗りの作業が必要で、大きな面を塗るのにはやや時間がかかります。造形シートは強度もあるので、大きな面はプラスタークロスを使って表面を仕上げ、崖面を貼り付けるところだけジオラマ用石膏を使うのが、石膏の節約にもなり賢いやり方かもしれません。

塗装

また1週間放置して乾燥させたのちに塗装です。山の斜面に関してはパウダーやスタティックグラスを撒くので下地塗装でOKですが、崖の部分に関しては完成に近い状態に持っていく必要があります。

今回使用した塗料はリキテックスのアクリル絵具ソフトタイプです。選んだ色はなるべく少ない色数ということで、パーチメント、ニュートラルグレー5、ローシエンナの3色。最終的にはこのうち前2色を使いました。

余った崖面の石膏でテスト。まずはパーチメントを全面に塗ります。

そのあと、気持ち多めの水で希釈したニュートラルグレー5を塗り、乾く前に筆で拭き取りを入れます。

灰色は全体のトーンを落とすので、使うのが難しいと思っている色のひとつです。灰色を入れず、ベージュや茶系の壁面とすることも考えたのですが、スレート採石がテーマの今回のレイアウトとしては灰色系を基調としたいので、この塗り方でやってみることにしました。

斜面については、いつも使っているKATO(Woodland Scenics)のアンダーコートアースを塗っています。続いて灰色を入れます。

若干灰色が強すぎたかなーという気もしているのですが、ここらは全体のトーンを見ながら調整していくことになると思います。

 

おまけ・道具編

今回の作業でお役立ちだった道具のご紹介です。

  • TAKEDA スチロールのり(写真左)
    スタイロフォームやスチレンボードなどを接着するための接着剤。基本的には木工用ボンドと同じポリ酢酸ビニルが使われているのですが、木工用ボンドが水溶されているのに対して、こちらはメタノールベースで、水分を吸わないような素材に適していると思われます。伸びもあり、接着までの時間も短く、非常に重宝しました。
  • 100円ショップで売っている製菓用ヘラ(写真右)
    石膏を扱うときの必需品。これ一本で撹拌、塗布から整形までなんでもできるスグレモノでした。

 

OO9レイアウト製作記・第6回「線路塗装とバラスト撒き」

前回更新から2ヶ月以上空いてしまいましたが、レイアウト製作は少しずつ進んでます。今回は線路塗装とバラスト撒きについてです。

線路を塗装するタイミングはいろいろあると思いますが、エアブラシを使ってみたかったので、持ち運びしやすい早めのタイミングでやってしまうことにしました。

試験塗装

まずはフレキシブルレールの余りを木片に固定したテストピースを作って、手持ちのタミヤのアクリル塗料のいろんな色を手当たり次第に吹いてみて、雰囲気を確認します。

使ったのは、左から順に以下の5色。

  • XF-52 フラットアース
  • XF-68 NATOブラウン
  • XF-10 フラットブラウン
  • XF-9 ハルレッド
  • XF-88 ダークイエロー

この状態では、真ん中の3色あたりがそれらしい雰囲気に見えます。バラストを撒くと雰囲気が変わるので、さらにバラストを撒きに進みます。

選んだバラストは、モーリンのNo.453 1/80 バラスト準幹線(ダークグレー)。レイアウト全体を灰色のトーンでまとめたいので、ローカル線などでよく使われる茶色系は選定から外しました。Woodland Scenicsのバラストとの比較でいうと、モーリンの方が粒の色調が程よくランダムで、面で見たときにのっぺりした感じがしないように思います。価格はやや高めですが入手性もよく、使う量も限られる場合にはよい選択になると思いました。

バラスト撒きは久しぶりでしたが... 絶望的に下手くそ。16.5mmではざっくり撒いて平す感じでいけていた気がするのですが、9mmは狭い。特に線路の内側はつい撒きすぎてしまいます。線路幅も相まってか、スケール通りのバラストの粒もやや大きく見える気がします。

ボンド水の乾燥を待って、結果は以下の写真の通り。

ある程度予想はしていたのですが、灰色とのバラストとの色調を考えると、やはり濃い茶色よりは薄い茶色(赤丸=XF-52フラットアース)の方が馴染むようです。また青丸=XF-88ダークイエローについては、実際にはこんな色をした枕木はないように思いますが、模型の観点で見るとちょっと苔生した感じにも見え、これはこれで使い道があるように思いました。

本塗装

さて本番。試験塗装で良好だった2色を組み合わせて塗装します。

まず通電を確保しなくてはいけないポイント周りにマスキングテープを施してから、レイアウトをベランダに持ち出しました。

周回本線と待避線部分をXF-52フラットアース、引き込み線をXF-88ダークイエローとして塗り分けます。右下の未塗装部分は、トンネル内となるところ(見えない)になります。

十分に乾燥を待った後、Track Rubberを使って線路の表面部分の塗装を剥がします。

ちなみに引き込み線については、レール部分だけXF-52フラットアースになるように塗り分けています。

最後に列車を走らせて、各所の通電に問題ないことを確認して完了です。

先行バラスト撒き

バラスト撒きに関してはあらかたベースの地形が出来てから行うつもりでしたが、トンネルライナーで覆われる部分についてのみ、作業のしやすさを優先し、先行して作業を行うことにしました。

試験塗装のときにバラスト撒きがうまくなかったので、YouTubeで見つけたsusukuma氏の手順を参考に進めました。

一晩置いたボンド水が用意できたら、バラストを撒く箇所(2箇所)にマスキングをします。

バラストは、撒くというよりは隙間を埋めるイメージで、少しずつ少しずつ敷き詰めていきます。線路の内側で枕木の上に乗ったり、盛り過ぎたバラストは、ピンセットで取り除いておきます。一旦バラストを濡らしてしまうと調整がとても大変なので、この段階でいかにきれいに並べるかが勝負です。

敷き詰め終わったら、霧吹きで湿らせたあとにボンド水を垂らします。枕木に残ったボンド水は綿棒を使って吸い取っておきます(テカリ防止)。

1回目終了時の状況。試験塗装時とは比べものにならないぐらい、きれいに撒けました。

乾燥を待ったのちに、2回目のバラスト補充には新戦力を投入。モーリンのNo.464 Nバラスト粗目 準幹線(ダークグレー)。色調は同じで、粒が一回り小さいものです。OO9レイアウトには、こちらの方が向いているかもしれません。

動画にもあったように、2回目はボンド水にリキテックスのマットメディウムを少し混ぜたものを使いました。以下、2回目乾燥後の写真です。細かい粒を投入した分、1回目よりも自然に見える気がします(※個人の感想です)。

トンネルライナーを置くとこんな感じ。

全体のバラスト撒きは当面先ですが、いい練習になりました。

Bachmann Class 66 GBRf塗装

Llancot Railway今年2両目のDiesel Locoは、BachmannのClass 66 GBRf塗装でした。

Class 66としても2両目。先日導入したICA Silver Bulletで現役貨物列車を走らせる面白さを知り、所有するEWS DB塗装に加えて、もう1両何にしようかと「英国鉄道図鑑 Class 66編」(英国鉄道研究会 Double Arrow)を見ていて目に留まったのが、英鉄の伝統色であるBlue/Yellowに大きな"GBRf"のロゴを纏ったGBRf塗装。現役貨物としてはGreenベースのFreightliner塗装もあるのですが、側面のでかいロゴと車両番号が気に入りました。Hattonsの中古(Pre-owned)でお値打ち価格で出ていたものを、うまく引き取ることができました。

写真右上の赤矢印で示した囲み部分にあるステップが取れている、というのが値引きの理由でしたが、幸い取れたパーツは一緒に入っていたので(写真左下)、瞬間接着剤で補修して、だいたい元通りに(写真右下)。

また"interhubGB"のネームプレートも未使用のまま入っていたので、こちらもボディに付けてみました。

1エンド側に運転士のフィギュアが付いています。

レイアウトで撮影。ちょっとオレンジっぽいイエローとブルーのコントラストがいいですね。

ボディの中身

DCCサウンド対応を行うためボディを外します。Diesel Locoのボディ外しは難儀なこともあるのですが、Bachmannのこのモデルでは、裏面から赤矢印部分を貫通する4本のネジを外し、両エンドのツメをちょっと外すだけで難なくボディを開けることができました。

中央に21pinソケットを備えた基板、2エンド側にはスピーカーエンクロージャーが用意されています。基板の下に両側にフライホイールを付けたモーターがあり、シャフトでそれぞれの3軸台車を駆動します。

おでこのライトとキャブライトは運転室の天井に据えられた基板に実装されていて、ソケット付きのコードで中央の基板に接続するようになっています(黄矢印)。基板からソケットを引きぬけば、ボディが完全に外れる仕組みです。

都合のいいことに購入したモデルにはDCCデコーダ付きのものだったので、ボディを外したままレイアウトをぐるぐる走らせて、不具合が無いかを確認します。

不具合その1. モーターから異音

しばらくは快調に走っていたのですが、突然モーターから異音がして、急に走りがギクシャクするように... DCCでもアナログでも現象は同じようです。ひょっとして中古で売られていたのは走行不調だったから...? と意気消沈したのですが、あれこれいじっているうちに、フライホイールに下の写真のようなゴムの部品が挟まっていることに気づきました。

確かにこんなものが挟まっているとうまく走れなくて当然です。えいっと取り除いてみると、ウソのようにまた快調に走り始めました。ちなみにこの部品が何なのかは未だにわかりません(^^;。

不具合その2. カーブ入口で脱線

周回線路の特定のカーブの入り口で、何回かに1回脱線する現象が起きる不具合。脱線する台車の首振りを確認すると、写真左下の赤丸で囲んだ部分、シャーシの出っ張りと台車がわずかに干渉していました。写真右下のように台車が右に首振りをするときにひっかかって、首振りできずそのまま脱線するというカラクリのようです。

そこで引っかかりが起きているシャーシ下面の赤丸の部分を目立たない程度に少しやすりで削りました。試験走行を繰り返し脱線が起きないことを確認して一安心。

DCCサウンドデコーダーを載せる

今回もHeljan Class33同様にRoads and Railsさんに発注しました。サウンドはESUとJamie Goodmanの2種類が選べますが、ESUのサウンドを聞いてみたいのでそちらをチョイス(実際にはESUをベースにいくつかオリジナルの音源を混ぜたもの)。

スピーカーはRoads and Railsオススメの20x20x7のMIni Megabassスピーカーを2個搭載しました。元々スピーカーエンクロージャーがあった場所にぴったりおさまる寸法です。

スピーカーは配線済みで送られてきたので、はんだ作業もなく、据付けるだけで作業完了でした。

それではいつものように動画でどうぞ。

牽かせる貨物も増やしたいですねー。