書き物

「すずめの戸締まり」感想※ネタバレあり

とりあえず2回観た時点での感想をつらつらと。 「君の名は。」「天気の子」に続き、新海誠ディザスタームービー三部作の殿となった「すずめの戸締まり」は、東日本大震災そのものに直接切り込んだ作品となりました。前作2作品もそれを彷彿とさせる場面(隕石…

「明日ちゃんのセーラー服」短評

「明日小路は いつだって衝撃的だ」(木崎 江利花) 〜「明日ちゃんのセーラー服」39話 おっきな悩みがあって より 「明日ちゃんのセーラー服」は、博による集英社の「となりのヤングジャンプ」に連載中の漫画で、2022年の冬アニメ(1月〜3月)としてTVアニ…

「アニクリvol.12」「ラブコメ・ヌーヴェルヴァーグ」論を読んで

買ったままそのままになっていた「アニクリvol.12」を少し読む。冒頭のてらまっとさんの「ラブコメ・ヌーヴェルヴァーグ」論と、その後のコメントを大変面白く読ませていただいた。 アニクリ 新号vol.12 入稿完了です。表紙&目次はこちらにて。https://t.co/…

「祈り」と「語り」 - 「平家物語」雑感

古典の金字塔である「平家物語」のアニメーションを山田尚子が手掛けるというだけで期待十分なのに、脚本が吉田玲子で、音楽が牛尾憲輔とくれば、これはきっと自分に何かを残してくれるに違いない。早る気持ちを抑えつつ、FODで全11話が揃ったところで、一気…

 「アニクリ vol.5s」を読んで思ったこと

「アニメクリティーク」(Twitter: @anime_critique)は、Nagさん(Twitter: @Nag_Nay)さんが編集をされているアニメーション批評誌である。自分もかつては、宮崎駿などを追いかけて同人誌とかを作る真似事をしていた時期もあったのだけど、結婚、子育ての…

「アイの歌声を聴かせて」を観ながら思ったこと

今日、川崎のチネチッタに「アイの歌声を聴かせて」の2回目を観に行ってきた。そしてようやくこの感想を書いている。 チネチッタにて展示 「アイの歌声を聴かせて」は、ずっと楽しく観させていただいている吉浦康裕監督の最新作、そして名作「イヴの時間」を…

「竜とそばかすの姫」に関するメモ

「竜とそばかすの姫」を観た。 とはいえ、楽しみに観に行ったというよりは、ブログなどに書かれた感想を読み漁るうちに、本編を見ずにそれにコメントをするのは気が引けるのでとりあえず観ておくか、という体である。 細田作品は「時をかける少女」あたりか…

「空の青さを知る人よ」感想

「あの花」「ここさけ」に続く、超平和バスターズ秩父三部作の三作目「空の青さを知る人よ」。前作二作とは打って変わって、青春(あおはる)はとっくに通り過ぎてしまったけど、さりとて客観的に振り返られるほどには歳は離れていない、そんなアラサー世代…

「風立ちぬ」感想

不思議な映画だった。どう贔屓目にみても話の流れは複雑で、ある程度の歴史や時代背景が頭に入っていないとそれが意味するところを理解できないし、カタルシスも控えめに表現されていて、ハッピーエンドでもなければ、悲劇が描かれているわけでもない。2時間…

作品の現代性「コクリコ坂から」と「土星マンション」

お盆の頃に「コクリコ坂から」を観てから、なんとか感想を書き付けておこうと思っているうちに随分時間が経ってしまいました。 規則正しい日常、歴史ある学び舎、愛すべき仲間たち、それを見守る大人。それらを舞台に描かれる恋と親子の想い。吾朗監督の作品…