初荷が届く

今年初の着弾報告です。蒸機が2つ、どちらもebay.co.ukで購入。

Hornby R3564 BR 2-8-0 Class 8F '48405' (With Fowler Tender)

いわゆるStanier 8F 2-8-0のBR Black livery with late crest。

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Bachmann Branchline 31-728 GWR City Class 4-4-0 'Killarney'

City ClassはNational Railway Museum所有の'City of Truno'が有名ですが、その同型機になります。

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今年のテーマ

届いた蒸機2つは、それぞれ今年遊んでみたい2つのテーマに沿ったものなので、それについて少し。

昨年は一旦埋め切ったレイアウトの手直しを中心に遊んでいたのですが、それもひと段落したということで、今年は車両を中心に据えてアレコレやっていきたいと思っています。

昨日掲載した「IORI工房 ハ1005 を作る」はその第一弾なのですが、英国鉄道模型に目を向けると、2019年秋に発表されたHattonsのGenesis Coachのリリースがいよいよということで、発売を心待ちにしているもののひとつです。

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そんな折、そのHattonsのGenesis Coachの発売にぶつけるように、Hornby 2021 Rangeで、同じくpre-grouping時代(Era2)の4/6 Wheel Coachの発表がありました。

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うちのような小さなレイアウトでは、こういった車長が短い小さな客車をたくさんつなげるほうがレイアウト映えもしますし、Era2の蒸機のバリエーションの豊富さも英国鉄道模型の面白さのひとつです。この時代のものはほとんど持っていないので、今年はEra2の蒸機、客車を集めて遊んでみようかと思っています。

もうひとつは、昨年後半に購入したBlack 5とCoal Hopperに端を発する蒸機貨物列車です。Big four時代のWagonも味があって面白いのですが、やりたいのはどちらかというとBritish Railways蒸機晩年(Era5/6)です。蒸機の最後の活躍を、現在の保存鉄道ではなかなか見られないEra5/6のWagonを使ったGoods Trainとして再現するのも、英国鉄道らしさがあると思います。

ちょうどAccurascaleから楽しそうな2軸のMineral Wagon(写真左)やSteel Coil Wagon(写真右)といった新製品もリリースされますので、蒸機のなかでもちょっと地味目の貨物機と組み合わせてみたいと思っています。

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IORI工房 ハ1005 を作る(その1)

今年最初のプロジェクトは、IORI工房さんの「ハ1005」の製作です。

明治鉄との出会い

今回製作する鉄道院「ハ1005」は、明治後期に製作された木造2軸三等客車です。英国鉄道模型をやってきたのに、なぜ日本のしかも明治時代の客車なのか。実は、とある漫画がきっかけでした。

明治時代の客車や機関車を擬人化した漫画なのですが、物語の設定や出てくる車両、建物の造形などが史実に基づいて忠実に取り入れられており、しかもキャラがかわいい!(ここ重要)早速BOOTHで既刊全巻を購入して、一気にファンになりました。

「明治の鉄道面白いなぁ」と興味が出てきたところ、作者のIORIさんが鉄道模型メーカー「IORI工房」をやってらっしゃることがわかり(笑)、これは是非ともうちのレイアウトで走らせてみたい、と思ったのでした。うちの車庫には英国蒸機の皆さんがいろいろおられるので、そこに日本のかわいい小さな客車がやってきて、英国鉄道風景の中をトコトコ走るというのは、なんとも模型ならではの楽しさで、妄想が膨らむところです。2021年にHattonsから2/3軸客車が続々とリリースされることもあり、それと合わせて楽しむのも面白そうです。

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IORI工房さんの製品は、ペーパーキットでNスケールのものが中心。うちで走らすにはOOとは言わないまでも16番があれば...と思っていたら、その明治の木造2軸客車がリニューアル品として出ることに。

12月某日、満を持してIORI工房さんを訪問。

持っていったGreat Western Dean Goods 0-6-0 ともパチリ。

こうして「ハ1005」がやってきたのです!

工具・接着剤の準備

ストラクチャーのペーパーキット(カードキット)の製作経験はあるものの、車両のペーパーキットは初めて。そもそもキットから車両を作ること自体が初めてです。

特に製作工程において重要となる接着剤については、組立説明書に4種類(プラ接着剤、木工用ボンド、瞬間接着剤、クリアラッカー)を使い分けるよう指示があったので、以下のものを用意しました。

  • タミヤセメント
  • タミヤクラフトボンド
  • タミヤ瞬間接着剤(使い切りタイプ)
  • Mr. スーパークリアーつや消し

最後のクリアラッカーはそもそも接着剤ではないのですが、部品の張り合わせに使用するとのことで、無難なものを選びました。

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工具については、ストラクチャーのペーパーキット製作に使うもので十分でした(デザインナイフ、ピンセットなど)。

別売り部品について

キットに含まれない別売り部品は

  • カプラー
  • 車輪
  • 真鍮線(Φ0.3mm)

です。カプラー、車輪は、IORI工房さんで売っていたKDカプラーとエンドウの車輪、真鍮線はヨドバシで売っているものを使いました。

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キットの中身

箱を開けると、キットの中には以下のものが入っています。

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  • ペーパーキット部品
  • 3Dプリンタパーツ(バッファ、ブレーキホース、油灯カバーなど)
  • ねじ類、軸受け
  • デカール
  • 組立説明書

ペーパーキット部品は厚さが様々で、彫刻のようにきれいにレーザーカットされています。特に側面の部品はこの薄さ、細さ。壊さずに最後までいけるのだろうかと、早速不安にかられました(^^;。

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ただ、このキットの中身で最大の特徴が組立説明書です。B5サイズ5枚、模型原寸図に始まり、14ページに渡って製作手順が図解とともに非常に丁寧に説明されています。

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プラキットと異なり、厚みが必要な部品についてはペーパーを何枚か張り合わせていく必要があるので、組立手順が重要なのはもちろんなのですが、使用する接着剤の種類から組み立ての注意ポイントまで解説されており、まさに至れり尽くせり。先ほど生じた不安も少しは和らぐというものです。

車体

びびっていてもしょうがないので、いざ製作開始。最初は側板の組み立てです。

リアラッカーを使って3枚の部品を順に張り合わせます。これは動画にしないとわからないと思うので、動画にしてみました。

リアラッカーをたっぷり目に吹くのがコツで、乾くまでの間は上下左右に自由に動かすことができるので、表裏をそれぞれ見ながら位置合わせをしていきます。この部品の特徴である窓枠がぴったりとセンターに合うようにすれば、位置合わせは大丈夫です。3枚張り合わせたときの凹凸の精巧さには、思わずため息が出ます。

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そして扉留金具の取り付け。部品はチップLEDよりも小さく、なかなか一筋縄ではいきません。

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自分が編み出した方法は以下の通りです。

  1. 両手にピンセットを用意する
  2. 切り取った部品を片方のピンセットで取り、瞬着の海に浸ける
  3. 所定の位置に置き、もう一方のピンセットで部品を押さえて、部品がピンセットを離れて側板に残るようにする
  4. このとき位置がずれるので、両方のピンセットを駆使してうまく目的の場所に戻す
  5. 目的の場所に到達したら、触らず乾くまでそのまま放置

瞬着はびちゃびちゃの状態だとくっつかないことを利用して、その間になんとか位置を修正するというものです。

次に妻板。こちらは部品2枚。上に重ねる部品が下よりわずかに大きいので、裏面から見て上下左右はみ出しが均等になるように調整します。

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一方の妻面にはステップを取り付けます。瞬間接着剤をステップの先に少しつけて差し込みます。

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最後に、真鍮線で作る金具を取り付けます。金具は付属の治具を使って作成。この治具の出来がまたすばらしい。一端を折り曲げて治具の穴に差し込み、ペンチで真鍮線と治具を挟み込んだうえで、治具の端を使ってもう一端を折り曲げます。側板の手すりとドアノブ、妻板の手すりの3種類を作ります。

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金具を埋め込んだら、そのままの状態で瞬着で固定してから、内側に飛び出した部分をカットします。

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妻面の手すりはRをつけなくてはいけないのですが、試した結果、タミヤクラフトボンド(Φ20mm)に巻きつけて曲げると具合がよかったです。

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完成したら、4面を組み合わせて箱にします。部品の精度が高いので、何もせずとも板と板の角がピタッと合います。上下に補強をつけて車体は完成です。

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屋根

次に屋根です。屋根は2重構造になっています。

下屋根は2枚の張り合わせ。まずは部品を妻板のRに沿って曲げる必要があります。今回はPOSCAペン(Φ25mm)を使って曲げました。Rを付けたら、タミヤセメントを塗って張り合わせます。

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乾燥したら下屋根を車体に固定します。当然屋根が車体の端より若干はみ出す感じになるので、全方向均等にはみ出すように位置決めして、タミヤセメントで接着します。固定できたら、上屋根を載せるための髪飾り...もとい、台金具を載せていきます。井形に組んだところで、瞬着で固定。

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続いて上屋根。同様にPOSCAペンを使って曲げてから、タミヤセメントで2枚の部品を貼り合わせます。屋根の上に載せる小さな部品は瞬着で固定。輪っか状の部品は、これまた小さく恐ろしく細い。これは本当にペーパーキットなんだろうか、と思う瞬間です。

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水切りは、真鍮線を切断して瞬着で貼り付けます。屋根のRに沿って曲がっている部分は、同じくPOSCAペンを使って曲げくせを付けてから貼り付けました。

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上屋根は車体とは別塗装になるので、固定は塗装後に行います。いよいよそれらしい形が現れてきました。

床板

最後に床板に進みます。見える部分は少ないですが、走行性に影響する最もデリケートな部分です。

まずは軸受け。5枚部品を重ね、最後に金属製の軸受けパーツを埋め込みます。

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軸受けについてIORIさんに質問したとき、以下のアドバイスをいただきました。

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軸受け周りは構造上黄色の線の部分に一番力がかかり、ややもすると折れ癖というか曲がり癖が付いてしまいます。これは赤線部にがっちり接着剤を流すことで防げますが、さらに頑丈にしたい場合は青線部にφ0.5くらいの真鍮線をU字型に曲げて貼り付けて補強するといいかもしれないです。

そこでオススメにしたがって、先ほどのパーツをΦ0.5mmの真鍮線を使って補強をしました。

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続いて、フレームも5枚重ねで作成。実車同様に床板に強度を持たせる重要な部品です。

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床板とステップも組み立てます。

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両端にはバッファビームを付けます。バッファビームにあるコンマ何ミリの窪みに、ステップの出っ張りがピタリとはまります。

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ここに先ほど作成した軸受け、フレームを順に取り付けます。

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3Dプリンタパーツのバッファ、上屋根の油灯カバーを取り付けて、作業完了です。

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ここまで来たなら、塗装前に一度仮組してみたくなるもの。少し気が早いですが、車輪を入れてみました。

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一番心配していたのが車輪の嵌り具合と転がりでしたが、特に問題はなさそうです。ただ軸受けが少し外側に押し出され気味になるので、金属製の軸受けパーツの押し込みが足りないのかもしれません。あとで調整が必要のようです。

車体+下屋根、そして上屋根を載せます。

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この状態でレールの上で試走。

上出来?思ったよりもスルスルと滑ってくれました(^^)。

雑感

初めての車両ペーパーキット組みでしたが、組立説明書の的確な指示と、IORIさんにいただいたアドバイスのおかげで、大きな問題なく組み上げることができました。

最初はパーツの細かさにびびりまくりでしたが、組立による誤差が出にくいように部品に切り欠きや出っ張りが配置され、各パーツの精度の高さとも相まって、カチッと位置合わせができるように作られています。誰にでもきちんと組めるキットとして、とてもよく考えらていると思いました。さりとてディテールに妥協しているわけでもなく、この車両の特徴を押さえるパーツもしっかり揃えらえていて、組みやすい上にディテールもあるという満足度の高いキットではないかと思います。

次回は塗装編(予定)。エアブラシ初挑戦の結果やいかに。

(つづく)

傾国

正直こんなタイトルで今年最初の記事を書くことになるなんて、と思うのだけど、どうしてもいまの気分をまとめておかなければ後々の自分に対して失礼に当たると思い、書き留めることにした。

小野不由美の「十二国記」シリーズをご存じだろうか。王様と麒麟が治める十二の国がある架空世界を舞台にした小説だが、物語中しばしば「国が傾く」という表現が出てくる。歴史小説、あるいは歴史書の中にもそのような表現があると思うが、現実に自分が住む国でそれを目の当たりにすることになった。もう断言していい。書籍に書かれた「国が傾く」とはどういう状態のことを指すのか、その一端を図らずも実感として理解した。この状況で「十二国記」を読むと、また違った感想を持てるのではないかと思う。

本日二度目の緊急事態宣言が発出された。内容としては飲食店の時短営業や夜間の外出自粛などとなっており、期間は1/8~2/7、目標はステージ3相当とのこと。ステージ3が目標でいいのかとも思うが、その後段階的に制限を緩和してステージ2を目指すらしい。つまりこの内容と期間で目標の達成は可能である、という判断がされたと理解するのが普通だろう。

しかしながら、先日1/5のBuzzfeedの記事として公表された8割おじさんの西浦さんが厚労省に提出したシミュレーション結果を見る限り、どうもそれは無理なのではと言わざるを得ない。

当然対策の強度によって増減の傾向に差が出るのだが、今回発出された緊急事態宣言の内容では、せいぜい横ばいにさせる程度なのではないかと思う。もちろんこの宣言による人々の行動変容については正確な予測が難しい。ひょっとしたらもう少しマシな結果が得られるかもしれない。だが、どう考えても今回の内容は、昨年4月の初めての緊急事態宣言よりも緩やかな印象で、状況としては逆にはるかに厳しいのだから、1か月かそこらで緊急事態宣言が解除できるような状況になっているとは考えにくい。つまりこの目論見は十中八九失敗する。また、この記事を読んでいようがいまいが、今回の緊急事態宣言でコロナ禍の状況が劇的に改善すると考えているひとはほとんどいないのではないかと思う。結果として、人々の行動変容は起こらずにコロナ禍は長引き、この国は不確実な未来しか持てない状況に長い間留め置かれることになる。

それは結果として、多くのひとに絶望を生み出すことになるだろう。僕はそれが心底恐ろしい。社会は多くのひとの「生きていて意味がある世界にしたい」という気持ちの集合で成り立っている。もしそれがなくなったら、社会はあっさり壊れると思う。例えば明日地球最後の日と言われたら何が起きるのかを想像してみてほしい。きっとそのような状況を傾国と呼ぶのだろう。

世界に目を向ければ、コロナ禍の中でも感染を克服し、確かな未来を感じられる国もある。同じ人間がやっていることなので不可能ではないはず。失敗に向き合い、どうにかしてそこにたどり着きたいと願わずにはいられない。

【追記】この気持ちをこの先の選挙で絶対に忘れないでおく。いまの政権与党およびその候補に投じることは金輪際ないだろう。

2020年の終わりに

振り返りの記事2本を書いたので、次はこのまま新年を迎えて2021年の年次計画などを書くか、と思っていたのだけど、やはり最後に、この「2020年」という特別な年をまとめておきたい。

今年ほど鉄道模型をやっててよかった、と思う年はないかもしれない。

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今年は仕事がこの先数年の行方を左右する大事な年で、物理的な忙しさよりも精神的なプレッシャーが大きかった。加えてコロナ禍という状況があり、リモートワークだし、ロクロク外出もできない。ほぼ2か月に一度の頻度で行っていた海外出張もなくなった。呑み会もない。ストレスをためるなというほうが難しい状況。

でも、平日寝る前に少しレイアウトで列車を走らせたり、休みの日にレイアウト作りに集中したりすることで、実はそこから幾ばくかは救われていたのではないかと思う。

どうにもならないことの多い世の中に対して、レイアウト上で展開される世界は自由になる場所で、そういう場所を持っているというだけで、現実で何があってもうまくやり過ごせる術が身についたように思う。それだけでなく、そこには自分の知らない新しいことや世界がたくさんあって。オンラインとはいえ、いろんなひととの出会いもあって。

鉄道模型は人生を楽しくする。いまはそう胸を張って言える。できるだけ長く続けていければと思う。

どうぞよいお年を。

数字で振り返るLlancot Railway 2020

どこで何をどれだけ買ったか - 2020

というわけで、3年目となったお買い物傾向分析です。

まずはお店別から。

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今年もやっぱりHattonsがトップでしたー。3年連続トップ。ただ割合は65%→36%→27%と年々落ちています。

第2位はKernow Model Rail Centre。メールでの問い合わせの反応、注文から出荷まで、とにかくスピード感があり、安心して注文できるお店です。Bachmannの新製品はHattonsで取り扱いがないため、こちらに頼っています。

続く車両関連の購入先は、第4位のThe Model Centre。ウェザリングサービスが有名ですが、HattonsやKernowで売り切れの品物が在庫していたりするので、よくチェックしています。第5位はお馴染みのメディカルアートさんでした。

第3位YouChoosと第6位DC Kitsは、いずれもDCCサウンドデコーダーのお店。やはりサウンドデコーダー関連の支出は、それなりのボリュームを占めることがわかります。

次にカテゴリ別です。今年はこれまで3年間の遷移をグラフ化してみました。

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2020年は、支出総額では鉄道模型を始めてからの3年間で一番低い数字に。わりとあれこれ買ったような気もするのですが、レイアウトのアップデートに注力したこともあり、新しい車両の導入は控えめだったかも。印象がいかにあてにならないかわかります。

右側のグラフは100%で正規化したもの。車両の購入の全体に占める割合はだいたい60%台で安定。今年はストラクチャ関連の割合が大きく増えました。

在籍車両一覧 - 2020

手持ちの車両が増えてきたので、手遅れにならないうちに今年から在籍車両もGoogle Sheetで管理することにしました。出来た管理表を使って、いくつかグラフを見ていきたいと思います。

まずはカテゴリ別のグラフから。2020年末現在の在籍車両総数168両。Coachの数が多いのはそんなものかなと思いますが、今年はWagonが大幅に増えました。増車のペースは60両/年、5両/月ぐらい。

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次に車両の年代(Era)別の内訳です。自分でもちょっと驚いたのですが、昔に偏ったり、現代に偏ったりしてなくて、満遍なく導入している感じ。どの年代もそれぞれ味があっていいのです。来年はHattons Genesis Coachが控えているので、やや昔に偏るかもしれません?

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最後にメーカー別内訳を。おおよそ2/3がHornby。以下、Bachmann、Kernow、Hattonsと続きます。来年はHattons Genesis CoachやAccurascaleの新作などもあるので、順位に変動があるかもしれません。

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以上、2020年のレポートでした。

 

ツイートで振り返るLlancot Railway 2020

年の瀬ということで、Llancot Railwayの2020年をツイートで振り返ります。月ごとに主だった出来事をピックアップしてみました。

January

年明け早々に片倉レール倶楽部さんにお邪魔して、大きな16番のレイアウトにて一日運転。コロナ禍が始まる前、最後の楽しいひとときの記憶。とても居心地のいいところなので、いつかフォロワーの皆さんと運転会ができるといいなと思っています。

 February

2月からはレイアウトアップデート開始。今年の第1弾は、貨物ヤードの舗装。

 DCCサウンド化は、Class 5700のLondon Transport liveryから。

 March

3月5日。鉄道模型を初めて2周年。

プラキット製作に初挑戦。Railway Modeller付録の小屋。

続いてViaductの製作に。

コロナ禍で中止になったLondon Festival of Railway Modelling 2020の代わりとして開催された Twitter上でのイベント #TwitterModelTrainShow に参加。楽しいイベントでした。

 April

レイアウトアップデート第2弾"Gweddi Bridge"が完成。Llancot Railwayの新たな撮影ポイントになりました。

レイアウトアップデート第3弾はポイント電動化。使用したのはPECOのSurface MountタイプのTurnout Motor。

カーブポイントを多用していたので、車両の干渉を避けて設置するのは骨が折れました。

Train-Techのソレノイド用DCCポイントドライバにて操作。

貨物ヤードのペイントをやりなおしたり、Level Crossingを整備したり。

 May

緊急事態宣言下のゴールデンウイーク。駅周りをいじっていました。

5月終わりからレイアウトアップデート第4弾、車庫改修を開始。

 June

しばらくはひたすらストラクチャ作り。

Pit線路の組み込み。

給油所。

燃料タンク。

West Hill Wagon Worksの蛍光灯照明。駅プラットフォームと給油所の屋根下に使いました。

 July

7月に入ってもストラクチャ製作は続きます。

整備プラットフォーム。

こちらKernow Rail Model CentreのClass 1361のDCCサウンド化。5月ぐらいからあれこれ悪戦苦闘してようやく完成。

 Aug

8月に入り、車庫改修のラストスパート。

照明も組み込んで、3か月ほどかかってようやく完成しました。 

 Sep

9月に入ってレイアウトアップデートは小休止。

明治鉄との出会い。

 Oct

 10月は新車の到着ラッシュ。

 そしてレイアウトアップデート第5弾、腕木式信号機の製作開始。

 Nov

11月は貨物祭り。

 Dec

ついに明治鉄入門。

ウェザリングに初挑戦。

そしてDSservoの到着とともに腕木式信号機の製作再開。

 なんとか年内に完成させることができました。

 以上です。来年もどうぞよろしくお願いします。

腕木式信号機(その3)

前回は、LEDの組み込みと腕木の可動部分の製作までを行いました。

今回は、組み立てた信号機をレイアウトに据付けてサーボモータで動作させ、完成を目指します。

据付けの準備

まず可動ワイヤの長さの確認です。Home&Distant Signalは説明書の通りにワイヤを短く切ってしまったので、据付けたときにベースボードの下まで届きません。よって、真鍮線を継ぎ足して十分な長さを確保します。

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Junction Signalの方は説明書を無視して(笑)長さを残しておいたので、問題なしでした。

次にLED照明の配線をまとめます。見てくれより機能重視ということで、可動用のワイヤに干渉しないようポストの裏側にまわるように瞬着で固定します。

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ポストの根元まで這わせて、同じく可動用ワイヤに干渉しない箇所にピンバイスで穴を開けて、下に逃します。

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最後に抵抗を取り付けます。LEDの抵抗を計算するのは実は初挑戦です。

  • 電源を12V、LEDによる電圧降下を3Vとして、12(V)-3(V)=9V分を抵抗で賄う
  • 15mAまでが許容電流なので、仮に電流を10mAに設定する
  • 9Vで10mAの電流を流すための抵抗は、9(V)÷0.01(A)=900Ω

で、若干余裕をみて1KΩの抵抗を付けてみたのですが、明るすぎました。手元に余っていた3.3KΩの抵抗で対応することにしました(それでもまだ明るい)。実際の電流値は

  • 9(V)÷3300(Ω)≒0.0027(A)=2.7mA

ぐらい。つまりそんなに電流を流さなくても十分明るくなるということですね... 勉強になりました。

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さらに照明用電源までの配線をつないで、熱収縮チューブで絶縁保護して準備完了です。

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DSsevo Decoder

今回の腕木式信号機の製作におけるもうひとつの重要なパーツ、それはサーボモータとそれを制御するDCCデコーダです。

サーボモータを制御するDCCデコーダは、ポイントを駆動するためのポイントデコーダが最も身近ですが、ポイント以外の一般用途となると選択肢が限られてきます。

そんな中、日本で多数のDCC対応製品を作っていらっしゃるDesktop StationさんのDSservo Decoderが目に止まりました。

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DSservo Decoderもポイントデコーダと書かれていますが、デコーダ基板のみでサーボモータは付属せず、市販のサーボモータを組み合わせて使います。今回のようにレイアウト上のある種のギミックを動かしたい場合、用途に合わせてサーボモータを選んだり、自由に設置できる必要があります。DSservo Decoderは、そんな用途にうってつけでした。

ずっと品切れになっていて2020年10-11月に再生産されるということで心待ちにしていましたが、12月に入ってようやく入荷、販売再開されたので、その日のうちに2セットを購入しました。

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35mm x 50mmのコンパクトな基盤に各インタフェースが整然と配置されています。1つのデコーダに2つまでのサーボモータ(1ch, 2ch)を接続することができます。デコーダーのアドレスも2つ割り当てられ、独立に操作できます。

各チャネルのサーボモータに対しては

  • 始点位置
  • 終点位置
  • 動作スピード

が設定できます。1chは基板上にあるVRにて、2chはCV設定にて行います。DCCデコーダなのでどちらもCV設定でできた方がいいんじゃ... とも思ったのですが、実際に設置してみるとなぜVRを使ってドライバーで設定できるようになっているのか、意味がわかりました(それについては後述、むしろ2chVRで設定したいぐらい)。

各チャネルに対応するリレー用の制御ピンも用意されていますが、今回は使用していません。

接続するサーボモータは、秋月電子で一番汎用と思われるTowerProのマイクロサーボ9g SG-90を購入しました。

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実際にこれらを使ってDSServoでサーボモータを動かすまでですが、非常にわかりやすいです。

  1. デコーダ(1ch)のアドレスを基板上にあるディプスイッチで設定する(2進数表現)
  2. DCC入力端子にDCCコマンドステーションの線路出力を接続する
  3. 1chのサーボモータ端子にサーボモータを接続する(向きに注意!)
  4. DCCコマンドステーション設定したアドレスに対してアクセサリの操作をする

これでサーボモータが動き始めます。あとは先ほど書いた3つの設定(始点位置、終点位置、動作スピード)について、対応する各VRをドライバでいじるだけです。1chだけ使用するのであればCV設定を全くせずに使うことができます。

2chを使う場合も、アドレスについては1chのアドレス+1になりますので、そのままでよければ設定不要、必要なのは始点位置、終点位置、動作スピードの3つのCV値(CV36-38)だけです。

DCCデコーダなのにCV設定不要がなぜ重要なのか。そもそもアクセサリのデコーダは大量に扱うことが多いので、まず一番重要なアドレスがディップスイッチを見るだけでわかるというのはとても大事だと思います。またサーボモータの設定がVRになっていることについても、VRの方が調整作業が遥かにやりやすいことは明らかです。

例えば以下はVRにて速度調整をしている例です。

 これがCV設定になっていると、

  1. DCCコマンドステーションをプログラムモードにする
  2. CV更新
  3. プログラムモードを抜けて動作確認
  4. 調整が必要であれば1に戻る

という作業を繰り返すことになります。VRであれば、DCCコマンドステーションをプログラムモードに移行することなく、アクセサリを動作させたままドライバ1本で調整をかけることができます。特にレイアウトに据付けてからの調整は、VRの方が圧倒的に効率的でしょう。

Z21で使うときの注意点

自宅レイアウトで使っているメインのDCCコマンドステーションはZ21なのですが、DSServo DecoderをZ21で使うときの注意点を1つだけ。

Z21 Maintenance Toolにて設定できるRailComの設定をオフにする必要があるようです。具体的には、Settingタブの"activate RailCom"のチェックを外します。

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 レイアウトでの組み上げ

腕木式信号機本体、サーボモータおよびDCCデコーダの準備ができたところで、作業場所をレイアウト上に移して組み上げていきます。

まずは予定していた設置場所に10mm径の穴を開けます。

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次に土台の整備。石粉粘土を使って垂直に立つように調整します。

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乾燥したら、塗装します。

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再び据付けたら、可動用ワイヤの先端をL字に曲げて(黄色矢印)サーボモータのアームにひっかけられるようにします。サーボモータの配置を考えて、それぞれ逆向きに曲げてみました。

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サーボモータにBlu Tackを貼り付けて、先ほどL字に曲げた可動用ワイヤを挟み込むような形で設置します。サーボモータ自体が非常に軽いので、据付けはこの方法が一番楽だと思います。

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ここから先ほども触れたサーボモータの3つの設定(始点位置、終点位置、動作スピード)をいじって、きちんと動作するように追い込みをかけます(なので、何度でも言いますが、VRでできた方がはるかによい...)。ともあれ、最終的にここまで来れました。

 ベースボード下まで見られるように撮ると、こんな感じです。

無事調整が済んだら、DSServoの基板もBlu Tackで据付け。完成状態のベースボード裏は以下のような感じです。

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最後に壊れるといけないと思ってとってあった梯子をつけてみました。

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ではお披露目を。

RATIOのキットを買ったのは今年の6月のことなので、構想から半年以上かかってようやく完成に漕ぎ着けることができました。腕木式信号機は、もともとレイアウトを作り始めたころから実現したかったもののひとつで、こうして出来上がったのを見ると感無量です。やはり動きのある仕掛けがレイアウト上にあると全然違うと思います。

もし少しでも気になる方がいらっしゃいましたら、自分のようなビギナーでもできるので、是非とも挑戦してみてください。英国鉄道風景があなたのお部屋にやってくること請け合いです。(おわり)