Accurascale MDOのウェザリング

というわけで、先日到着したAccurascaleの新製品、BR 21t MDO Mineral Wagonへのウェザリング加工のレポートです。

ウェザリング方針決め

前回のHUOでは、ご丁寧にAccurascaleのWebサイトにウェザリング加工記事が投稿されていたので、それをお手本に製作を進めることができました。今回のMDOも、何かお手本になるような作例、あるいは手法が載っていないかと探していたのですが、ウェザリングの好み(どの程度汚すのか)、使う塗料などはひとそれぞれで、なかなかこれと思い当たるものがありません。

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バニラ状態

であれば、もうこれは好きなようにやればいいのではないかと思い至り、HUOのときのやり方をほぼ踏襲して、以下の4工程で進めることにしました。

  1. 筆塗りでサビ、塗装ハゲ表現を入れる
  2. 足回りをエアブラシで吹く
  3. うすめ液を使って筆でテクスチャを入れる
  4. 内側の塗装と外側の仕上げをエアブラシで吹く

HUOのときは2→1→3→4という順で、2を先に実施したのですが、一番面倒かつ時間がかかる1をまずやってから、だんだん楽な作業へ移れるように順番を入れ替えました。

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後ろがお手本となるHUO

サビ、塗装ハゲ表現

筆塗りによるサビ、塗装ハゲ表現で、唯一ルールとして決めているのは「決まったパターンを作って入れていく」ということです。ウェザリングはいわゆる「汚れ」なので、ランダムに入れてもいいように思うのですが、あまりにランダムにやってしまうと、編成として見た場合の統一感が失われて、美しくないのです。できれば美しく汚したい。そこで、今回のMDOでも、概ね以下のパターンで入れていくことにしました。

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  1. まず赤線の部分、フレームに沿ってざっとサビ表現入れる
  2. そのあと青線の囲みのような部分に大きめの塗装ハゲ表現を入れる

1についてはHUOとほぼ同じですが、2は新しい試みです。MDOは形に大きな特徴がない分、塗装ハゲを大胆に目立つように入れることで、しっかりアイキャッチを行おうという目論見です。

塗料は、タミヤのアクリル塗料XF-10フラットブラウンをほぼそのまま使用し、タミヤモデリングブラシ(極細)で塗っていきます。作業の難易度は高くないのですが、ひたすら単純作業を繰り返すことになるので、ダレて雑にならないように、作業は1日3両までと限度を決めました。3両も塗ると眼も限界になってくるのです... 老眼ツライ。

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全15両を5日間かけてなんとか塗り終えました。この段階では、サビ表現というよりは「これ、なんか塗ったよね」というふうに見えてしまいます... 失敗か?いやいやまだまだこれからこれから。

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足回りのエアブラシ

次は足回りに取り掛かります。筆塗りに比べればエアブラシ作業は天国のようなもの。XF-10フラットブラウンにXF-1フラットブラックを少し混ぜたもので、足回りを一気に吹きます。

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きれいに焼きあがりました風

エアブラシを入れると、それまで単にプラスチックにしか見えなかった足回りが、急に激務をこなしたソレに見える、この瞬間が楽しいです。

うすめ液によるテクスチャ

ここまできたところで、これまで入れてきたサビ、塗装ハゲ表現とエアブラシの汚れをあえて崩すように、うすめ液を含ませた筆を使って、本当の意味での汚しを入れます。

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写真では非常にわかりにくいのですが、赤矢印の細かい汚れや、青矢印にある細かい傷のようなものが、それにあたります。筆塗りやエアブラシだけでは細かい変化をうまく入れるのは難しく、どうしても単調になってしまいがちです。この作業は敢えてランダムさを入れて、偶然生まれる良さみたいなものを出せれば、というわけです(もちろんいつもうまくいくわけではないのですが)。

内側の塗装と外側の仕上げ

最後は再びエアブラシで、石炭が入る内側を黒々と吹いていきます。XF-10フラットブラウンに対して、XF-1フラットブラックを気持ち多めに調色したものを使います。エアブラシの吹き付けが外側にはみ出さないように、ボール紙で作った治具を使います(HUOとサイズが同じなので以前のものを流用)。

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内側が吹き終わったら、同じ色で外側もごく軽く吹いて、全体の明度を調整して完成です。

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試走

まずは石炭なしの状態で。

いざ、石炭を積んで出発!

Hornbyから発売予定の新金型のBR 9F 2-10-0にひかせる日が待ち遠しいですね。