IORI工房 ハ1005 への室内灯の組み込み

電飾シリーズをさらにもう一つ。年初に製作したIORI工房のペーパーキット ハ1005 にHornbyのMAGLIGHTを室内灯として組み込んでみました。

Hornby MAGLIGHTとは

Hornby MAGLIGHTとは、Hornby 2021 Rangeの4 & 6 Wheel Coaches用の室内灯キットです。4 & 6 Wheel Coachesは、室内灯付きと室内灯なしの2バージョンがありますが、室内灯なしのものにも後から室内灯を組み込めるように、室内灯キットがMAGLIGHTとして別売されました。

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パッケージの中には、上から順に、室内灯をオンオフするための磁石、電池ボックス - 基板 - テープLEDが配線されたキット本体、基板をボディに止めるためのネジ、ボタン電池(CR2032)が入っています。

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キット本体(写真左)と基板部分(写真右)

MAGLIGHTの特徴としては、車輪集電ではなくボタン電池(CR2032)を電源とした上で、リードスイッチを使った磁石によるオンオフが行えることです。これにより、車両への加工を最小限にして、室内灯を組み込むことができます。

ちなみに磁石によるオンオフは、このような動作になります。

今回はこのキットを利用して、ハ1005に室内灯を組み込んでみることにしました。

電池収納および室内製作

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さて生贄組み込み対象となるハ1005は、写真の通り室内はがらんどうで、先ほどの室内灯キットを収めるだけであれば、何の問題もありません。ただ当然のことながら、室内灯で室内表現が全くない状態がはっきり見えてしまいますし、大きなボタン電池ケースも目立ちます。

そこで、ある程度の室内表現(座席など)を行うと同時に、ボタン電池ケースを覆い隠せるようなものを自作してみることにしました。

しかしハ1005の車内がいったいどうなっていたのか... Twitterでつぶやいていたら、IORIさんが助け舟を出してくれました。

イメージはできたのですが、手元にはレーザーカッターも3Dプリンタもないので、プラ棒とプラ板、あとは真鍮線で出来る範囲にうまく落とし込む必要があります... 設計図も書かずに、ダメもとで作り始めることにしました。

まずは電池ケースを覆い隠せるような台を3mmの角プラ棒(2段重ね)と1.2mm厚プラ板で作ります。

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この底上げした平面を座面として、座席になるように不要な部分をくり抜きます。背もたれになる部分は、2mmの角プラ棒を0.5mmの真鍮線で支える構造としました。

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一旦ボディにはめてみて、窓越しに見た目を確認します。色を塗れば、IORIさんに教えていただいた、加悦鉄道のハ4995の室内に似た雰囲気になりそうです。

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塗装は、座席にあたるところはMr カラーのC7ブラウン、それ以外の部分は室内の壁と同じC44タンを使って塗り分けました。座席は本当はもう少し落ち着いた色だと思うのですが、明るめの色にした方が室内造作がはっきりと目立つだろうという理由で、この色にしています。

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もう一度、ボディをはめて確認。試しにフィギュアも置いてみました。なかなかいい感じです。

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組み立て

部品が出来たところで、組み立ててみます。

まずはMAGLIGHTのLEDテープをボディサイズに合うように6灯分→4灯分に短縮し、さらに真ん中の2灯分はアセテートテープでマスキングします。(実車の天井ランプは2つしかないので)

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次に、LEDテープを天井に、基板は妻面の壁面に固定します。固定は後のメンテナンスも考えて、全てBlack Tackを使いました。基板には、上からマスキングテープを貼って目立たないようにします。

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さきほど塗装した座席パーツに電池ケースを固定して、さらにボディに固定します。フレームをネジ止めすれば、無事組み立て完了です!

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 完成動画はこちらから。

ちなみに費用とか

MAGLIGHTはHattons価格で1つ£9.16(VAT抜き)なので、決して安いとは言えませんが、オールインワンでかつ加工のしやすさから考えると、十分価値はあると思います。また3Vの電源が取れるので、応用の範囲はいろいろとありそうです(本当はこの基板を自作できれば一番いいんですけどね...)。