前回までのBrake Vanへのランプ取り付けの経験を踏まえて、もう1両電飾を施すことにしました。ターゲットとなる車両は、Network RailのPLPR(Plain Line Pattern Recognition)車両です。
PLPR車両は、英国で鉄道設備の保守点検を行うNetwork Railが所有する線路の検測車です。Class 37のPush-Pull運行のネタにしようと思って購入したのですが、YouTubeで実際の運用を撮影した動画を見ていると、床下に特徴的な照明があることに気付きました(機関車を除く前から3両目がPLPR車両)。
ボギー台車付近に線路に対して垂直方向に「直線状の白い光」(カメラで線路を走査するための照明?)と、中程にオレンジ色の「カンテラ」(役割はよくわからない)が見えます。
模型への室内灯の組み込みは一般的ですが、このような床下の照明はあまり見かけません。なので、是非とも再現したいと挑戦してみることにしました。
部品の準備
電飾のためのLEDは、模型電子部品ショップMSRさんから取り寄せました。
MSRさんは、以前JAMに出店されていたときに、小型電球を使った街灯を購入させていただいたことがあるのですが、今回も「こんな感じの電飾部品があったら」と思うものがそのままありました。LED部品のバリエーションが豊富なのと価格が手頃なので、おすすめのお店です。
さて、もちろんこのままでは取り付けられないので、部品を加工していきます。
まずは「直線状の白い光」ですが、これを再現するためには、照明の当たる範囲を真下に、しかも直線状に区切るスリットのようなものが必要です。そこでプラ板で写真にあるような覆いを作ってみました。
そして赤矢印の部分に配線済みチップLEDを埋め込みます。このままでは目立つのとプラ板から光が透けてしまうので、サフを吹いたあとに黒く塗装を施しました。
次にカンテラ。こちらは部品の段階でドーム形状になっているので、これをそのまま活かして、レンズ部分以外のクリアの部分についてサフを吹いたあとに黒く塗装。さらに車両の左右方向にうまく設置できるように2つの部品を接合して、配線を取り付けました。
Mk2分解
まずは車両の分解から。HornbyのMk2の分解は、Mk1よりもずっと簡単だと思います。まずはボギー台車をはずします。ねじ止めとかはされていないので、ツメの形状を考えて前後方向に少し押してから引っ張るとスルッとはずれます。
つぎにボディを開けます。こちらもねじ止めなどはされていません。ドアステップのすぐ隣、赤矢印あたりにマイナスの精密ドライバなどを差し入れて、フレームを浮かせるように持ち上げます(写真右)。あとは隙間からボディーとフレームを引き剥がすようにすれば、素直にはずれます。
本物のPLPR車両は、座席は取っ払われて検測機材が積み込まれていると思うのですが、この模型ではMk2 TSOのものをそのまま流用しているようでした。
ボギー台車の集電加工
集電は、Brake Vanのときに使ったDCC ConceptsのWiper Pickupを使います。もともとこのボギー台車向けにあつらえたかのようで、ねじ止めで固定可能で、車輪に対する集電板のあたり具合も良好です。
配線はツメの隙間から引き出します。
電飾の取り付け
先ほど準備した部品を床下に取り付けます。ゴム系接着剤でしっかり固定。見た目は全くキレイではないのですが、どうせ見えない部分なので、そこは割り切りです。フレームの真ん中に大きな金属ウエイトが載っているので、そこを避けた形で穴を開け、配線を室内に引き込みます。
資料がないので、正直場所については動画からの推測と、見た目、加工のしやすさを優先しました。床下機器の位置もMk2 TSOの流用なので、本当は違うと思います...。
室内に出した配線を車端部まで引き回し、基板にハンダ付け。ちょうど隙間に収まりました。
線路に載せて試験点灯。問題なさそうです。
ボディーを嵌めてレイアウト上でも試験。正確性はともかく、特徴的な床下照明の感じは出せたかなと思います。
Mk2は分解も簡単で、Wiper Pickupを使った集電もお手軽なので、一般車両の室内灯加工もやってみたいところです。