腕木式信号機(その2)

さていよいよ製作開始です。今回腕木式信号機の製作にあたって、是非とも達成したい課題を以下の2つとしました。

  • LEDによる発光機能の組み込み
  • サーボモータによる腕木可動化およびDCC制御

一方で

  • 塗装表現
  • 細かいパーツによるディテール

については優先度を下げることにしました。もちろんどちらも両立させるのが腕の見せどころとは思うのですが、それはもう少し慣れたらの話で、まずは「光ってちゃんと動く」ことを目指したいと思います。

LEDによる発光機能の組み込み

腕木式信号機はその腕木の位置によって信号現示を行うとともに、腕木の先に付けられたGreed, Yellow, Redに着色されたガラス板に灯りを当てることで、色灯式と同じような灯火も備えています。レイアウトに組み込んで特に夕景や夜景での運転を楽しむ際、灯火があるかないかで見栄えがずいぶん変わってくると思います。

キットに付属の腕木のパーツをみると、ガラス板にあたる部分には既に着色されたフィルムが埋め込まれていました。つまりこれに後ろから光を当ててあげればよさそうですが、問題はそのサイズ。

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ガラス板に相当する部分は直径が3mm程度の穴で、その後ろのカンデラも高さが5mm程度。砲弾型LEDでは大きすぎるので、チップLEDを直接マウントするような加工が必要です。ただチップLEDに導線を結線するのは自分にとっては至難の技。さかつうギャラリーさんでチップLEDに直接導線を結線したパーツが売られていたので、これを使うことにしました。ありがたや。

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チップLEDに導線がついているというよりは、導線の先にチップLEDがくっついているという表現のほうがあってますね。LEDのサイズは1.6x0.8mmです。

3Vのボタン電池で点灯試験。光量は十分です。

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腕木パーツに当ててみます。大きさもちょうどよく、思った以上にしっかり色が出ますね。

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続いてマウント作業へ。チップLEDの長辺方向が上下に収まるように、カンデラのモールド表面をやすりで削り、少し窪みを作ります。

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加工前(左)と加工後(右)

1mmのピンバイスで穴を開け、導線を通したあとチップLEDを瞬着で固定します。

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導線は絡まないようによって、サフを吹いたあとに黒のアクリル塗料で塗装。ポストの先にある装飾(finial)も赤く塗装しました。この2箇所が今回唯一行った塗装作業です。

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LEDを組み付けた全体図。LEDの導線は最終的にはポストにまとめる予定です。

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Home & Distant Signal(左)とJunction Signal(右)

腕木を可動させる

LEDの組み込みができたところで、腕木をワイヤで可動するように組み付けていきます。Home&Distant Signalは下記説明書にあるように、ポストに沿って真っ直ぐ下に下ろすだけです。

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ところが。予想されてはいたのですが、Junction Signalはブラケットの先にある腕木を可動させるために2つのクランクを通さなければいけません(黄色破線の囲み)。

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これがなかなかの難工事。クランクをブラケットに組み付けた状態で残りのワイヤを通すのは神業が必要になってしまうので、写真にあるように一連のワイヤをすべてクランクに通したあと、クランクをブラケットに組み付ける、という順番で作業をしました。

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当然手順のことは説明書に触れられているわけはなく、これを考えつくのに結果として2週にわたる作業になりました。

ひとまずここまででレイアウトに組み込む準備ができました。

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このあとは実際にレイアウトに組み込んで、LEDの電源引き回しとサーボモータの設置となります。DCCによるサーボモータの制御については、当初Train-TechのSV1 Servo Controllerを考えていたのですが、 Desktop StationのDSservo Decoderが再販されると聞き、取り回しとコストパフォーマンスの観点からそちらを使う予定にしています。

(つづく)