祈りの橋(後編)

レイアウトへの設置

さて塗装まで仕上がった橋をいよいよレイアウトに固定します。

まず橋を埋め込む部分の丘の斜面を切り取ります。この丘はスタイロフォームにプラスタークロスを貼ったものなので、表面のプラスタークロスを切り取って剥がす感じです。以下は#TwitterModelTrainShow向けに撮影した動画。

切り口がプラスタークロスの白色で目立ったしまうので、いつものアンダーコートアースで塗っておきます。

f:id:giovanni_ihatov:20200322125343j:plain
さてここからがお楽しみの時間、橋のデコレーションです。もともとキットはSingle TrackかDouble Trackの橋として作れるようになっていたので、どうせならということで線路を敷いてみます。もちろんどこかに繋がるわけではないので、廃線跡という設定にしてそれに合うような装飾を考えます。線路は余っていたPECO Code 100のフレキシブル線路を適当につなげて、周りに植える樹木も仮置きしてイメージを決めます。

f:id:giovanni_ihatov:20200328110940j:plain

だいたいのイメージが決まったところで、線路の塗装。通電を考慮しなくてよいので、線路部分も含めてがっつりと塗ります。色はお気に入りのハルレッド。

f:id:giovanni_ihatov:20200328170004j:plain
f:id:giovanni_ihatov:20200328190956j:plain

ゴム系接着剤で橋に固定しました。

f:id:giovanni_ihatov:20200328205658j:plain次に樹木の加工。Woodland Scenicsの出来合いのものを使うのですが、土台のスタイロフォームに挿すために針金をつなぎます。ピンバイスで細い幹の下から穴を開けて、針金を挿してゴム系接着剤で固定します。針金はクリップを伸ばしたものを利用。

f:id:giovanni_ihatov:20200329103540j:plain
f:id:giovanni_ihatov:20200329094137j:plain

f:id:giovanni_ihatov:20200329103648j:plain

そして橋を最終位置に固定し、両端の地面を石粉粘土で造成します。細かい土地の造作はすっかり石粉粘土に頼るようになりました。乾燥したらアンダーコートアースで下塗り。

f:id:giovanni_ihatov:20200328224133j:plain
f:id:giovanni_ihatov:20200404111003j:plain

バラスト撒きの様子は動画でお楽しみください。

さらにStatic Grassやらお花をところどころに植えて廃線感を出します。斜面を利用して樹木もダイナミックに配置。

f:id:giovanni_ihatov:20200405101121j:plain
f:id:giovanni_ihatov:20200405103322j:plain

最後にお人形を置きます。廃線跡散策にやってきたHikerという設定です。レイアウトに命が吹き込まれていく瞬間。

f:id:giovanni_ihatov:20200405115256j:plain
f:id:giovanni_ihatov:20200405115347j:plain

橋の向こう側は立ち入り禁止なので、アイアンの柵を立ててみました。ここから先は羊たちの世界です。

f:id:giovanni_ihatov:20200405211817j:plain

以上で完成となりました。

そして祈りの橋

せっかく作った橋なので何か名前をつけようと思いましたが、命名というのはなかなか悩ましいものです。日本の地名ならいざ知らず、このレイアウトの舞台になっている英国のそれもWalesの地名をつけるというのはなかなかおこがましい話です。

この橋を作っている間に世界は大きく変わってしまいました。そして事態はいまも進行中です。おそらく何年か後にはそれも過去の話となるでしょうが、橋を見るたびにそのことを思い出すはずです。そこでWales語で祈りを意味する"Gweddi"という名前をつけることにしました。いつかまたこのレイアウトにおいた人形のように、英国に行って素敵な橋を散策できる世界になることを願っています。

f:id:giovanni_ihatov:20200405120258j:plain
(おわり)