その1からかれこれ3ヶ月余。第4期工事その2は後編としてもう一箇所のコーナー、トンネル上の町を作りを紹介します。
Train Spotter Heaven(?)
そもそもこのスペースは何かを作ろうと思ってできた場所ではなく、車庫の留置線と周回線路を空間的に区切るために擁壁を建てた結果としてできたスペースでした。
仕切りとして建てた擁壁に隣接する周回線路部分をトンネルにすれば、レイアウトの情景を自然に区切ることができます。ただトンネル内にはカーブポイントが3本あり、後々のメンテナンスを考えると山のような大きな構造物で覆うのはためらわれました。そこで、当面は写真のように黒地のスチレンボードをピッタリサイズにカットして覆うだけとし、後々何かアイディアが浮かんだらその上にさらに何かを作ればいい、という算段だったのです。(いつものごとく行き当たりばったり...)
当初は擁壁を城壁に見立てて古城でも置いてみようか...とも考えたのですが、そもそもお城の土手っ腹に鉄道のトンネルなんて通せるわけないよな、とその案は却下。擁壁の上はちょうど駅や車庫を一望できる絶好の場所にあるので、Train Spotterのみなさんが日がな一日過ごせるようなそんな場所になればと、広場のある小さな町の一角を想定してストラクチャーの選定に入りました。
Church in the town
まずは教会から。イギリスのあちこちの田舎町を訪ねたときに、どんな小さな町でもたいていのところにあったのが教会でした。それこそいつから建ってるんだという感じの古い建物もあり、やはり町を構成する要素として欠かせないものです。今回はOxford Railのレジン製のものを使いました。
また広場に隣接する箇所は住宅というよりはお店の方が合うだろうと、Metcalfeの小さな宿とコーナーショップを入れてみることにしました。
ストラクチャの選定と組み立てが終わったら、配置決めです。当然この場所はTrain Spotterのみなさん向けなので、駅や車庫に近い擁壁側に広場をもってこれるように考えます。教会と普通の建物が近接しすぎるのもヘンなので、仕切りとして樹木を配置してみます。
さらに前後関係で建物が隠れてしまうのを避けるため、奥側にあたるホテルとコーナーショップの地面を少しかさ上げしました。これにより教会との仕切り効果も出せそうです。
道路にあたる部分は石畳のマットでお化粧。Juweelaを使おうとか思っていたそんな時代もありましたが(笑)、ここはお気楽にNOCHのシートを使っています。ただの印刷ではなくてちゃんと凹凸があり、質感は非常によいのでおすすめです。
さて、配置が決まったところで工作をバリバリと進めます。まずは上の段に照明を仕込んでいきます。街灯はJAMで見つけた模型電子部品ショップMSRさんのものを使用。最近はLED照明が全盛ですが、これは小型電球ならではの柔らかい光が特徴的です。
次に下の段。まずはいつものようにアンダーコートアースで下塗りをしてから、教会のストラクチャを置く部分に同じく石畳のマットを敷きます。教会前の広場には、駅前広場で使ったものと同じ舗道用の大きめの石畳を敷き詰めました。
教会の周りの樹木をグルーガンで固定。そのあとターフで地面を整えます。
段差を埋めるための階段は自作しました。駅で作ったものと同じ手法で、1mm厚のケントボードにインクジェットで印刷したテクスチャを貼り付け、それを階段状に貼り合わせています。
はめ込んでみた全景はこんな感じ。だいぶそれらしく仕上がって来ました。
Railings
ここからは細かい装飾に進みます。まずは広場周りの手すり。今回はScale Model Scenaryの2種類の手すりを使いました。どちらもカードキット。アクリル塗料で黒く塗装してから瞬着や下地のスチレンボードに穴を開けて固定します。
教会両脇には鉄柵を配置。同じくScale Model Scenaryのものを使用。鉄柵もわりと町中でよく見かけるものの一つですね。
Lovely Backyard
最後にホテルとコーナーショップの裏にあたる部分に庭を製作しました。
まずはターフで下地。
庭としては殺風景になる壁面には蔓薔薇を這わせます。
その手前に紫陽花。緑のターフを重ねます。
石畳を敷いて木の下にはベンチを設置。
ここで初登場のGrass Applicatorで草を蒔いていきます。
ホテルの勝手口からも石畳を敷いて歩道を作ります。
最後に道路面に木製のフェンスを立てて裏庭完成。こういう小さなところをちまちま作っていくのは実に楽しいですね(笑)。
最後に全景を。
夜景も。
構想から完成まで時間はかかりましたが、想像以上の出来に納得。特に裏庭は作っていて楽しかったですね。以下、振り返りなど。
- Oxford RailもMetcalfeもどちらもUKのメーカーですが、ストラクチャを置くだけでちゃんとBritainになるのはさすが。
- Nochの石畳は扱いやすく質感もなかなかでした。
- 照明をさぼらずに入れて正解。夜景はまたちがった表情を見せてくれます。
- Scale Model Scenaryのカードキットは値段も手頃で精巧、しかも扱いやすい。オススメ。もっともこのカードキットが映えるぐらいのレイアウトを作らねばいけませんが。
- Grass Applicatorも導入して正解でした。ベタでターフを撒くようなところにふりかけると、ぐっと実感的になりました。
以上、これにて第4期工事はおしまいです。