前回の報告からちょうど2ヵ月経ってしまいましたので、まずはおさらいから。
車庫改修プロジェクトでは、留置線となっていた場所を廃止して蒸機区画とディーゼル区画の2区画に整理し、新設となるディーゼル区画に新規に4つのストラクチャーを配置します。
- ピット付き車庫
- 整備プラットフォーム
- 給油所
- 燃料タンク
前回その1ではピット付き車庫の製作について触れましたが、今回その2では給油所の製作について報告したいと思います。
キット製作
給油所のストラクチャーはBachmannからReady Madeのものが出ていますが、単品でぽっと置いたのでは面白くないので、燃料タンクも合わせてプラキットにチャレンジすることにしました。ただPECOなど大手では製品がなく、UKのローカルメーカーであるKnightwing Models Internationalから直接通販で取り寄せることにしました。
お初のところだったので、まずはWeb上のカタログでよくわからなかったキットのサイズについてメールで問い合わせ。すると3日後に返事が来たので、まぁ大丈夫だろうとWeb上での注文に進みましたが、注文確認メールも何も来ず。1週間経ったところでさすがにおかしいと思い、メールで状況照会すると「もう発送したよー!」との返事が... ヨカッタ。ちょっと別件でやきもきしていた時期だっただけに、またか!とドキドキしてしまいました(^^;。品物も程なく到着しました。
1枚のランナーで給油所1つ分、2枚合わせて2つの給油所ができる算段です。屋根はスクエアタイプのものとオーバルタイプの2種類が付いていて、どちらか好きな方を選べるようになっています。自分は説明書の写真にあるようなスクエアのものを選びました。
狭い車庫に2つも給油所が要るんかな... と思ったものの他に使うあてもなく、1つ作るのも2つ作るのも大して手間は変わらないので、2つとも作って縦に並べておくことにしました。(これが後で思わぬ効果を生むことに)
構造としてはプラットフォームのような土台の上に、いくつかのパイプやキャビネット、屋根を建てるというシンプルなもの。細かいパーツが多いので、塗り分けの手間から塗装を先に済ませてから組み立てます。
土台のベースカラーはTAMIYAアクリル塗料のXF-55 デッキタン、アクセントカラーとしてXF-80 ロイヤルライトグレイを使用しました。ピット線路の塗装と同じパターンです。写真のように塗り分けがされているとデッキタンがベージュっぽく見えるのですが、実際にレイアウトの中に置くとコンクリート舗装として違和感なく見えます。逆にグレイ系では主張が強くなるので、特にカントリー調のレイアウトでは注意が必要です。屋根の色は難しかったですが、主張しないような中間色としてXF-14 明灰緑色を使ってみました。実際のこんな感じの屋根はないかもですが、ちょっとレトロな感じになったので気に入っています。
パイプやキャビネットはあまり拘らずに赤、緑、白、黒とシンプルな色で塗り分け。キャビネットの取手と丁番、給油ノズルと接続リングには、からぱたさんがnippper.comで紹介されていた「ぺんてる銀の穂」を使いました。筆先の使い心地が絶妙で、今回ような金属色などちょっと色刺しするのに大変便利です。
土台と屋根にはMr. ウェザリングカラーで汚しを入れます。これでパッキリ明るめだった色もかなり落ち着いた雰囲気になりました。塗装後の接着にはセメント接着剤は使えない(塗装が溶ける)ので、瞬間接着剤でサクサクと進めます。まずまずの雰囲気です。
次に「駅の小改修」で使用したWest Hill Wagon Worksの蛍光灯型照明を屋根下に組み込みます。照明色は駅のホームで使ったWarm Whiteではなく、Cool Whiteにして雰囲気を変えてみました(写真で見ると青みがかっていますが、実際はここまで青くはないです)。
基本的にはWarm White(電球色)好きなのですが、猫城さんがうまい具合に照明色を変えてレイアウトを作られているのを見て、自分もやってみたくなった次第。ディーゼル区画はCool White、蒸気区画はWarm Whiteでまとめる予定です。また後の報告をお楽しみに。
レイアウトへ組み込み
さてキットが完成したところで、いよいよレイアウトへの組み込みです。設置場所の幅がキットの幅より大きいので、組み込むため何かしら追加の土台を作る必要がありました。最初は石粉粘土で造形することも考えていたのですが、これまでの経験から水平をきれいに出すのが難しいことがわかっているので、方針を変更してプラ棒、プラ板を使って製作しました。
5mmのプラ角棒で台枠を作り、上面に0.5mm厚のプラ板を貼ります。そしてこの台枠の中に2つの給油所キットをはめ込みます。隣のピット付き車庫の土台も同じ手法で製作しました。
仮置きしてみたところです。給油所が2つ並んでいるので2両セットのClass 43 HSTを置いてみたら、これがピッタリはまる!設計時には意図してなかったこともあり、テンションが上がる瞬間です。
塗装については、プラ角棒、プラ板ともに表面がかなりツルツルということもあり、お試しでサーフェイサーを初スプレー。なぜもっと早く使わなかったのか、というぐらいの感動がありました(笑)。筆塗りでは絶対に出せない塗膜の均一さとプラ成形色が完全に隠される隠蔽性。その上に塗るアクリル塗料も伸びよく厚塗りの心配がありません。またひとつ勉強になりました。
アクリル塗料で塗ったあとは、キット同様にMr.ウェザリングカラーで汚しを入れます。
組み込んだ全体像。無事キットとうまく馴染んでくれました。
仕上げは照明の配線です。蛍光灯照明の配線は一旦裏にまとめてからリード線を延ばします。
もうひとつはヤード照明。もともと留置線に使っていた照明(写真左)を付けるつもりで土台に穴を開けていたのですが、新たに買ったViessmannのヤード照明(写真右)の方が形や照明色が馴染むことから、設計変更することにしました。
おかげてキットに開けた穴をプラ板で埋め戻すことに... この程度の変更はしょうがないですね。
レイアウトのベースボードに配線用の穴を開けて設置します。これでひとまず完成。
デモビデオはClass 43 HSTとともに。
Fuel point demonstration with lovely Class 43 HST sisters😉 pic.twitter.com/I78xzfDhys
— じょばんに (@Giovanni_Ihatov) 2020年8月12日
キット組み立て、土台の作成、照明の組み込みと、かなり手間がかかりましたが、「給油所を設置したい」というぼんやりとしたイメージから、なんとか期待以上の形にできたかと思います。(つづく)