Little Panddington Railway 第2期工事(その7)

Land Forming

今回は固定式レイアウトのもう一つの醍醐味、地形造成についてです。

基本的にレイアウトは平らなベースボードに構築していくものですが、山や川など起伏のある地形を作ることでレイアウトを立体的に見せることができ、視覚的な楽しさを加えることができます。起伏に合わせた配線によって生み出される勾配、トンネル、橋などのレイアウトシーンは、固定式レイアウトに欠かせない要素の一つと言えるでしょう。

Little Paddington Railwayのレイアウトにも何らかの起伏を取り込みたかったのですが、スペースの制約から線路に起伏を付けることは諦め、線路と線路の間に多少の起伏を持たせる方向で検討しました。ちょうどヤードと周回線路の間が空間的に空いていた(黄色の斜線部)ので、ここに視覚的な間仕切りにもするべく堀割風の堤を作ることにしました。

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現実にはこういう地形は想像できませんが、周回線路自体がすでに現実にはあり得ないのでそこはレイアウトとしての見えを優先しました。

さて、堤を作るとしてその作り方ですが、世の中には実に様々な方法が転がっています。王道を試してみたいと思い、スタイロフォームとプラスタークロスを使う方法でやってみました。

まずは堤を作る部分を折り込み広告を使って型取りします。

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型紙をスタイロフォームに当て、適当な大きさに分割して切り出します。

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この上に二段目の型取りをして再びスタイロフォームを切り出します。

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さらに三段目、四段目と繰り返して、四段構成の階段状の堤が出来上がりました。

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ここからある程度斜面の形になるように角を削ぎ落します。

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幾分それっぽい斜面が見えるところまでできました。

さて、このままスタイロフォームを完全な形に仕上げて直接塗装する方法もあるのですが、そこまでやるとなるとスタイロフォームを削りまくらなくてはいけません。そこでスタイロフォームはあくまで土台と位置づけ、この上にプラスタークロスを使って地形を仕上げることにしました。

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プラスタークロスは網目状の布に石膏をまぶしたものです。水で濡らして立体物に貼り付けることで、立体物の表面を形成し、石膏仕上げにすることができます。感覚としては水溶きの糊を付けた新聞紙を立体物の骨組みの上から貼り付けて表面を仕上げる、あれと同じです。ただ仕上がりが石膏なので、軽くて丈夫ですし、その後の塗装でも発色がよいことが期待されます。

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プラスタークロスを貼る前に、階段状になっている斜面部分を紙テープで補強します。

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そしてこの上にプラスタークロスを貼りけます。だいたい20cm x 20cmぐらい、正方形になるような大きさで切断し、ある程度重なるように貼りつつ全体を覆います。作業自体は簡単ですが、とにかく石膏が飛び散るのでビニールシートの上で作業するのが無難でしょう。今回のように後からレイアウトに設置できる場合はともかく、レイアウト上で直接扱うのは結構大変かもしれません。

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一晩置くと、表面は完全に硬化して石膏の風合いがある立体物が出来上がります。起伏が単調だったりへこみがあったりする部分を、一部紙粘土を盛って修正作業を行いました。

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完全に乾いたら塗装。まずはKATO(というかWoodland Scenics)のアンダーコート・アースを全体に塗ります。

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乾燥したら、次にいつもの木工用ボンド水溶液をハケでぬりつつ、魔法の粉・KATOターフ緑色ブレンドを惜しげもなくふりかけます。(惜しげもなく、というところが重要

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振りかけ終わったら、さらに上から先ほどの木工用ボンド水溶液を霧吹きで吹きかけて乾燥させます。

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さていよいよレイアウトに配置。緑色が映えていい感じです。

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堤と地面の境目部分はコースターフを貼り付けて目立たない感じにしました。

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上から見るとどうってことないのですが、地面のレベルで見るとやっぱりいいですね。

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このあと堤をフォーリッジや樹木で装飾する予定ですが、ラベンダーやアザミなど草花も使いたいので一旦このままにしておきます。

以下はおまけ。まず音が聞こえて、やがてぱっと列車が顔を出すのがなんともいいですね。

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長々続けてきた第2期工事も次回ヤード編で最終回です。(つづく)