2020年年次計画の第一弾、踏切とヤード舗装の改修のうち貨物ヤードの改修が終わりましたので報告をば。
第3期工事(その2)においてボール紙で作成した舗装ですが、以下のような問題がありました。
- 線路との隙間が大きい
線路を通過する車輪との干渉を避けるために線路の形状とぴったり合わせる必要がありますが、直線ならまだしも曲線を正確にカットするのはなかなか難しく。結果として線路との隙間が不自然に空いた形になってしまいました。 - 継ぎ目が目立つ
ボール紙をあらかじめ複数に分割して作成しておきレイアウト上で貼り合わせるように施工しましたが、やはり継ぎ目が立ちます。時間が経ってボール紙が反るようになるとなおさらでした。
そこで貨物ヤードと踏切部分について、線路と隙間のないきちんとした舗装の実現向けてやり直すことにしました。
素材案としては、大きくわけて2つの選択肢があります。
- 改めて板状のものを使い切り出す
- 石膏などの可塑性のある素材を使う
そんなときSHIGEMON氏の梅小路ジオラマの制作動画で、アスファルト舗装にダイソーの石粉粘土を使っているのを見つけました。
石粉粘土は第4期工事(その1)で石壁を作るときに使ったことがあります。石膏よりも扱いが簡単で紙粘土よりも柔らかく、確かに良さそうです。というわけで、この工法を採用することに。
SHIGEMON氏の動画で納得ポイントだったのがプラ棒を使って堤を作っているところ。粘土は圧力をかけるとどこまでも伸びてしまうので、特に地面を成形するときに境目の処理が面倒なのですが、プラ棒であらかじめ区画を作ってあげればしっかりと埋めることができそうです。
区画ができたところで一気に石粉粘土を埋めます。
ヤードの舗装を敢行。 pic.twitter.com/s0Blnf6tr8
— じょばんに (@Giovanni_Ihatov) 2020年2月9日
さて線路の外側が埋まったところで、線路と線路の間をどうするか。外側は線路まできっちり埋めても問題ないのですが、内側は車輪のフランジが通るスペースを残す必要があります。
SHIGEMON氏の動画では石粉粘土を使っていなかった(プラ板?)ので、同じくプラ板で加工かな...と思っていたのですが、となると、やり直す原因となった正確な曲線の切り出しを求められるわけで、むむむ。どうにか石粉粘土を使う方法はないものか。
と、そこで目に止まった堤に使った2mmのプラ角棒。2mmのサイズはCode 100の線路と同じぐらいの高さでということで選んだのですが、これをスペーサー代わりとして使えばフランジの通る隙間を残しつつ石粉粘土で埋められるのではないか。ということでやってみました。
大正解。プラ棒は自由に曲げられるので曲線も問題ありません。
そして乾燥待ち。前回石粉粘土を使ったときにも感じたのですが、石膏や紙粘土に比べて割れが出にくい分、乾燥には時間がかかる印象です。厚みにもよりますが、大体3, 4日から1週間程度は見ておいた方がいいでしょう。その間に出てきた割れや縮みによる隙間を適宜補修していきます。
ヘラ代わりに使っているのは100均で売っていたもんじゃ焼きのコテ。なかなか便利でした。
さて出来上がったところでRail Headに残った粘土を紙ヤスリで削り落として試運転。
フランジに支障なく走行に全く問題なし。想像以上にいい感じです。
さて次のステップは塗装です。やり直したときからグレイ一色に塗ってしまうのはもったいないと感じていたので、別途木片に石粉粘土を盛って作ったテストピースに手持ちのアクリル塗料でいろいろ塗ってみました。
矢印にあるライトグレイぐらいのトーンが良さそうです。これに少し濃いめグレイを上からドライブラシっぽくテクスチャを加えてみます。
なかなかいい感じです。塗装の方針が固まったところでまずは下地のライトグレイの塗装を行います。
白っぽくて見づらいかもしれませんが、これで塗装済み。で、よく見ると無塗装の時には目立たなかった表面の凸凹が気になるレベルになってしまいました。もっとヤスリがけをして均さないといけなかったようです。一旦塗装は中断してヤスリがけ。
そして再塗装。
先ほどよりは目立たなくなりましたが、それでも完全に真っ平というわけにはいきませんでした。石膏であれば粘度が低いので自然に平面になると思いますが、石粉粘土は最初の段階でかなり注意深く施工しておかないとキレイに平面を出すのは難しいようです。このあたりは次回踏切の施工時に向けての反省点になりそうです。
次にテストピース同様に濃いめのグレイのドライブラシをかけていきます... が、全然テストピースみたくならない...。
これはおそらくテストピースはヤスリがけをほとんどしない状態で塗ったので、いい感じに表面のざらざらが残っていたと思うのですが、ヤスリがけによって表面がすべすべになってしまったので、結果として筆の跡が残る感じになりました。
ここまで来てしまうとあまりやれることはありません。方針を転換してなるべく同じ色をべた塗りしていく方向で修正をかけました。だんだん塗膜が厚くなってテカリも出てきたので、ヤスリがけをしてテカリを抑えつつ、白く禿げたところはグレイで補修して... みたいなことを繰り返しました。
塗装の最後はSafety Lineを黄色で入れます。
これがやりたかった塗装だったんだろうか...と逡巡。最終的に線路と線路の間の汚しもグレイで再び塗りつぶしました。そのあと舗装と地面の境目をスタティックグラスやコースターフ等で整えて(覆い隠して(^^;)いきます。プラットホーム周りにも少し緑を入れてみました。
というわけで、塗装の絶望の淵からなんとか帰還を果たして完成。レイアウトのテイストと馴染むレベルまで来たので、ちょっとひと息といったところです。やはりいきなり筆でテクスチャをかますというのは3年早かったということで... これなら最初からベタ塗りすればよかったかな。
今回見つけた問題点や改善点は次回踏切の施工に活かしたいと思います。