Little Paddington Railway 第3期工事(その2)

Station Square

いよいよ第3期工事のメインとなる駅前広場を作っていきます。

なぜそこに駅があるのか

ここまでのレイアウトでは駅や車庫、線路沿いといった鉄道に関係する情景を作ればよかったので特に悩むことはなかったのですが、何もない駅前の土地をどのような情景にするかは正直かなり悩みました。いったいこの駅はなぜこの場所にこの形で存在するのか。存在理由あるいは物語が必要でした。

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まだ、何もない場所。

駅がここにあるのは... この駅を利用するひとたちの町、おそらく小さな町がある。町はこのレイアウトの外、駅の後ろにある擁壁の向こうに側にあって、お客さんは徒歩、あるいは車やバスでやってくる。その町に荷物を運ぶために貨物ヤードにはトラックが出入りするだろう。この駅と町は道路でつながっている。

そんな妄想をベースに組み立てを考えました。

  • 駅と町をつなぐ道路
  • 貨物ヤードに続く出入り口
  • 車を停めることができる駅前のロータリー
  • 駅に来たひとが少し休んだりくつろげるようなカフェ
  • 駅前の広場とメモリアル

これが決まれば、これらの要素を構成するのにふさわしいストラクチャーを準備します。欧州型であればFallerKibriといったメーカー/ブランドから豊富なストラクチャーが出ていますが、それでは英国の田舎町の再現にはなりません。(ならないのです... 大事なことなので二度言いました)他の国と同じく英国の鉄道には独特のテイストがありますが、街並みを作るストラクチャーでも同じことが言えると思います。

今回実際に使用した英国のメーカーをいくつか紹介します。

そうして用意したストラクチャーを仮置きしながら何度か配置を検討します。一度決めると途中で変更は難しくなるので、配置の検討には十分時間を使いました。

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これは検討中のもの。最終系とはまったくちがう。

これでいこうと決まったらベースボードにレイアウトを書き入れて構築開始です。
まずはボール紙で周回線路から駅前に伸びる舗装道路を作ります。貨物ヤードの一部も舗装で覆い、直接車が乗り入れられるような形にします。

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道路の塗装はTAMIYAの情景テクスチャーペイント(路面 ダークグレイ)で仕上げました。

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ボール紙は加工性はよいのですが、どうしても反りが生じるためスチレンボードなどを使ったほうがよかったかもしれないですね。

次にヤード周辺および線路沿いの地形造成を行います。紙粘土で堤を形作ったのちに、必要なところにプラ製の線路柵を挿しておきます。

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乾燥後、KATO(WoodlandScenics)のアンダーコートアース(茶褐色)で塗装。

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その上からターフを撒いて下地を整えつつClimbing Vineという蔓状の草花をのせてボリューム感を出しました。

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駅前の広場部分はタイル張りにすべく、Metcalfeから出ている歩道用のペーパータイルを敷き詰めました。

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こんな感じで1枚1枚貼っていきます。

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きれいに敷き詰めるのに2時間ぐらいかかりました。

ほんとに1枚1枚タイルを貼るキットだったので、これぐらいのスペースを埋めるのにも結構骨が折れました。きっともう少し楽なアイテムがあったはずですが、意図通りの雰囲気は出せた、と信じたいところです。

そして樹木。Woodland Scenicsの樹木に加えて、大きな樹木はNochのものを使いました。

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ホビーセンターカトー東京でも入手可能です。

個人的には大型樹木はNochのほうがWoodland Scenicsのものより見た目の質がよいと思います。スケールからするとかなり大きな樹木なのですが、見た目の空間を仕切る意味であえて大きなものを配置しています。

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また広場の周り、カフェの裏庭などの草地には紫陽花やバラなどの花を入れてアクセントをつけました。

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カフェの裏庭との仕切りにはNochの生垣を使用。踏切のキットで余った扉柵を使って出入り口を作ることで雰囲気を出せたかと思います。

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こちらが完成写真。

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こうやって書いてしまうと、何か最初から設計図があって一直線に作ったように見えるのですが、ホントに試行錯誤の連続でした。レイアウト検討中の写真にあるようにカフェのほかに小さな宿の建物も作ったのですが結局使わなかったりとか、逆に大きな樹木は最初は2本のつもりが4本になり最終的には5本と増えていったりとか。お手本になるものがあったわけではないので、作っている時間より構想している時間のほうがはるかに長かったです。ですが、おかげでイメージに近いもの、いまの自分の力量は作れる精一杯のものが仕上がったと思います。

次はここにどんな人形や車を置こうか、とまだまだ物語の妄想は続きます。

(つづく)