#TwitterModelTrainShowよもやま話

はじまり

先日の記事の繰り返しにはなるのだけど鉄道模型は基本的に個人で楽しむ趣味だと思っている。でも決してソーシャルな側面を否定しているわけではない。人との交流は新たな発見があるし、何より楽しい。

鉄道模型といってもひとによって楽しみ方は様々で、車両を作ったり、走らせたり、コレクションしたものを飾ったり。自分は英国の鉄道風景とその文化が好きなので、自然と英国の鉄道をモチーフとしたレイアウトを作ることが楽しみとなった。

鉄道模型の楽しみを共有するイベントも様々で、日本でいえば国際鉄道模型コンベンションのような大規模なものから、ローカルな展示会や有志の運転会まで、楽しみ方の幅だけ催しがある。

昨年のイベントのひとつ「鉄道模型コンテスト2019」で、英国の鉄道模型メーカーPECOが作った小さなモジュールレイアウトがひっそりと出展されていた。

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それほど足を止めて見てるひとはいなかったけど、僕の目は釘付けになった。初めて直に見た英国式のレイアウトだった。その衝撃たるや。

もっとこういうレイアウトを見てみたいし、それよりなにより自分も参加したいと思うようになった。

問題はレイアウトを見せたりするイベントというのはなかなかにハードルが高いこと。当然展示に足るクオリティが必要なこともさることながら、可搬なモジュールレイアウトにする必要がある。けれども日本のイベントで英国式のレイアウトを見ることは非常に少ない。自分の楽しみを満足させてくれるイベントを探すのは、どうやら難しいということがわかってきた。

そうじゃなくて、もっといま作ってるおうちのレイアウトを気軽に見せあってダべるようなことができたら... 最近鉄道模型関係のツイートを英語にしたのはこれが理由だったりする。

そうして興味を持ってくれるひとが少しずつ増えてきた折、ひとつのツイートが目に留まった。

 The London Festival of Railway Modellingというロンドンで開かれる(たぶん一番大きな)鉄道模型イベントが新型コロナウイルスの影響で延期になってしまったことを受けて、代わりにTwitter上で #TwitterModelTrainShow というハッシュタグを使って1日イベントをやりましょうという呼びかけだった。英国の鉄道模型イベントは僕の中の憧れで(小さなモジュールレイアウトを見ただけで衝撃を受けたぐらいなので、現地に行ったらきっと卒倒してしまうだろう)、オフィシャルではないにしろその代わりの催しとはいえ参加できることはまたとないチャンスだった。やるなら本当にイベントに参加するつもりでやってみようと思った。

構想

展示会ともなれば、ただ列車を走らせるだけではなくて、何かレイアウトの紹介になるようなものを入れたい。ちょうど作りかけていたWills KitsのBridgeの製作の様子と、それを実際にレイアウトに組み込んで列車が走るところまでを見せれば面白いのでは、と考えた。レイアウトを作るひとなら、出来上がったものをただ眺めるよりも、どうやって作っているかのほうが興味があるはず。

折しもその週末、日本は三連休。英国との時差9時間もあり、かなり前もって準備できるよねと思っていたところ、フォローしているCheadle Hill氏のツイートを見た。

おお、そうか。展示会に参加するなら宣伝をせねば!新たに撮影している時間はなかったので、撮り溜めてあった写真と動画に、先日のReal Sound動画のために抜き出したGloucestershire Warwickshire Railwayでの収録音をBGMにして紹介動画を作成。尺は短い方がいいが、自分の技量では15秒に収めるのはとても難しかったので、30秒の動画になった。

当日

そうして迎えた3/21当日。自分がやったことは以下のモーメントにある通り。

午前中はBridgeの製作、午後はレイアウトへの据え付け、夜は列車の撮影とほぼ一日中ドタバタしていて、実はハッシュタグに載ったツイートを見ている暇はほとんどなかったのだった。

翌日朝にまとめとしてもう1本、60秒の動画を作成し、その後ようやく参加者のツイートを見始めた。

 家のテラスのようなところに設置されたO Scale。テラスも素敵なら、レイアウトにあるSignal BoxとLevel Crossinもかわいく作ってあってホントに絵になる。鉄道模型がある自然さがたまらない。

こちらも屋外に置かれたOO Scale。ポイントはコーナーにつくられたシナリー。古城と羊のいる牧場。そこに至る小道。さらっと作ってあるのだけど、日本で生活している自分にはとても真似できそうにない、この英国感。

雑誌に載りそうなサイズの正統派レイアウト。OO Scaleで満足のいくレイアウトを作ろうと思ったら、そりゃこれぐらいのサイズになるよね... うらやましい。

 屋根裏レイアウトも定番。日本だと夏が地獄になりそうなので厳しいけども。

Gutさんも紹介されていたN Scaleのレイアウト。OO ScaleがメジャーだとはいえN Scaleもユーザーも多い。大きな景色を作るにはNのほうが有利。まさに風景に溶け込む鉄道を再現できる。

でも皆んながみんな広い場所で楽しんでいるわけではない。日本と同じぐらいコンパクトな場所に作られたレイアウトも多くある。

楽しそうな子どもたち。HornbyオリジナルのAPT-Pが走っているところがポイント。

 一躍有名になったこの猫。こんな自由さも、また楽しい。

こちらフォローさせていただいているCheadle Hill氏のレイアウト。うちのレイアウトと似ていて長方形のベースボードにオーバル型の線路が引いてある。サイズは2.5m x 1.5mだそうで、うちより一回り大きい。

そしてなんとReutersの記事に引用されてた!

そしてもちろんモジュールレイアウトも。

とても全部は紹介しきれない。この幅の広さが鉄道模型趣味そのものだと再確認させられるイベントだった。

終わってみて

普段YouTubeでフォローしている個人チャネルや現地展示会のレイアウトとはちがう、素のままのおうちレイアウトがたくさん見られたのはとても楽しかった。

 もともとの呼びかけの趣旨からやはり英国からの参加者が多数を占めていて(日本からも予想以上に多かったと思うけど)、少なくとも僕にとっては眼福の連続だった。単に素晴らしいレイアウトであれば現地の展示会のレポートビデオを見た方がいいわけだけど、おうちレイアウトはもっと個性的で楽しい。

次の機会があるかどうかわからないけど、またぜひ参加してみたい。