Little Paddington Railway第1期工事(その6)

Controllers

Rolling Stocksでも触れましたが、制御機器に関してはDCC導入としました。OO Scaleの動力車の大半がDCC Readyなので、様々な動作ができるDCCをやらない理由がないのと、サウンドを是非とも付けたかったので、DCCの選択は必然でした。

日本で手頃に入手できるDCCコントローラはこれまた一択でKATOのD102(DCS51K)です。

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機能的にはお世辞にもいいとはいえないのですが、これ一つで始められますし、なんといっても値段も手頃です。そして伝統のマスコンハンドル風の速度制御ボリュームと前進後退ハンドルはなんとなく懐かしさも感じる体でキライじゃないです(素直に好きと言えばいいのに...)。

DCCなので、ポイントを非選択式にすれば基本的に給電箇所は1箇所で済みますが、うちのレイアウトにはリバース線があるので、その間だけギャップを切って別給電にする必要があります。リバース線を走るのは基本的に機関車だけの想定なので、下記のように必要最小部分だけギャップを切りました。

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リバース区間を通過するときは、本線とリバース線と跨ぐ時にリバース線の極性を適宜切り替えてショートしないようにしてあげる必要があります。このためにDigitraxから出ているAR1というAutomatic Reversing Controllerを組み込みました。

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基盤剥き出しでなかなかイカツイ感じですが、やることは本線とリバース線から引き出したフィーダー線を繋ぐだけなのでさほど難しくないです。延長フィーダーを加工してKATOで使っている標準のコネクタ(メス)を引き出してあげて、本線側、フィーダー側それぞれから標準コネクタ(オス)でつなげるようにしてあります。

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AR1トラブルシューティング

AR1を組み込んでみたものの、ギャップをまたぐときにうまくいく通過できるときとD102(DCS51K)がショート検知でシャットダウンしてしまうときがあって、ハテ何がいけないのかと2週間ほど試行錯誤。AR1自体が壊れているのかと思ったりもしましたが、海外サイトをぐぐっているうちに同じような問題を掲示板に書いているひとがいて、辿って行くと本家Digitraxのウェブサイトに情報がありました。

KB1034: AR1 autoreversing with the Zephyr Xtra

D102(DCS51K)のオプションスイッチ番号18「DCS51Kがショートした時に、シャットダウンするまでの時間を0.125秒から0.5秒に延長します」を有効(”c”)にすればよいとのこと。どうもAR1はメカニカルリレーで切り替えをおこなっているので、ショート検知から実際に切り替えが起きるまでに時間がかかるようです。つまりデフォルトのままだと、ギャップをまたぐときにAR1が動作する前にD102(DCS51K)がショートを検知してシャットダウンしてしまうようです。

このオプションスイッチ設定後はウソのようにノートラブルで動いています。よかったー。

 (ここまで)

Little Paddington Railway第1期工事(その5)

Structures

今回はあくまで固定レイアウトではないので、ストラクチャー関してはあったらいいなと思うものを少しずつ追加していく形です。OO Scaleのストラクチャーに関しては、プラスチックキットで紙に印刷されたテクスチャを貼るものが多いようですが、HornbyのScaledaleシリーズは塗装済み完成品で単体での完成度が高いです(なので相対的に価格は高めです)。

ちなみにプラットホームに関しては、使わなくなったKAPLA (http://www.kapla.co.jp/) という積み木を再利用。いまは白木のまま使っていますが、あとで着色してみるつもりです。
ストラクチャーに関しては、Hatton’s Model Railwaysだけではなく一部amazon.co.ukからも購入しました。

Hornby R9818 Skaledale High Brooms Station

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Hornby R8641 Skaledale Platform Footbridge

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Hornby R8581 Skaledale Double Road Engine Shed

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PECO SL-40 Rail build buffer stop

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Buffer Stopは本来はPECOの線路にくっつけるものですが、HOユニトラックでもちょこんと載せられるてうまく収まってくれました。

(つづく)

Little Paddington Railway第1期工事(その4)

Rolling Stocks

さて何を走らせようか。

初めは最近GWRでデビューしたばかりでHornbyの今年の目玉商品であるClass 800I IETとかも考えたのですが、5両編成で全長1706mm。とてもいまのレイアウトに向いていると思えません。以前UKで乗った保存鉄道やらたまたま駅で見かけた気になる機関車(Class 37おまえのことだ!)から始めることにしました。なので、ノリとしては保存鉄道ミニチュア版という位置付けです。

車両はすべてHatton’s Model Railways (http://www.hattons.co.uk/)で購入しました。Hatton’sがなかったらとても揃えられなかったでしょう。中古品も含めた豊富な在庫には驚かされます。多くの動力車についてはDCC fittedやOlivia’s Trainsのサウンド付きのDCC fittedのオプションが選べるので、簡単にDCC対応、あるいはサウンド付きDCC対応のものが入手可能です。

Locomotives

Steam Locomotives

Bachmann 32-131 Class 45xx 2-6-2 Prairie tank 4539 in Great Western green
DCC, Olivia’s Trainsのサウンド付きです。
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Diesel Locomotives

Bachmann 32-370 Class 37/4 37405 in DRS Compass blue
こちらもDCC, Olivia’s Trainsのサウンド付きです。
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Coaches

Mk1

Bachmann 39-026G BR Mk1 SK 2nd Corridor in BR Maroon
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Bachmann 39-076F BR Mk1 BSK Brake Second Corridor in BR Maroon
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Bachmann 39-151C BR Mk1 FK W13127 1st Corridor in BR Maroon
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Bachmann 39-261B Mk1 RMB Miniature Buffet W1816 in BR Maroon
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Hornby R4708 Mk1 SK Second Corridor W24540 in BR chocolate & cream
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Hornby R4709 Mk1 CK Composite Corridor W15061 in BR chocolate & cream
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Hornby R4822 Mk1 BSO Brake Second Open W9264 in BR chocolate and cream

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Mk1に見るBachmannとHornbyの違いについて

Bachmann、HornbyともにMk1 Coachを出していますが、何がどう違うの?というのは結構謎でした。今回は半々ぐらいそれぞれ買ってみて違いを見てみました。

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ざっくり言うと、Bachmannの方幾分造形が細かい気がします。例えば屋根のパイプ表現ですが、Bachmann(右側)は別パーツで成形していますが、Hornby(左側)は一体成形だったりします。

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妻面のレタリングも微妙にBachmannの方がやや細かい。

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Couplingのつけ方もちがいます。Backmann(上側)は台車とは独立していてきついカーブのときに伸びるような仕掛けがありますが、Hornbyが台車に直付け(下側)です。ただいずれも2nd Radius程度の通過は問題ありません。

 

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車重もBachmannは重量感があり、Hornbyは軽めです。

じゃあBachmannの方がいいの?というと、例えば窓枠の凹凸。Bachmann(上側)が彫が深めでHornby(下側)の方が浅いです。スケールを考えるとHornbyの方が忠実ですが、どちらがいいかは好みの問題かもしれません。なので、どちらがいいということはないのですが、同じ形式のものはメーカーを揃えた方が無難とは思いました。

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(つづく)

Little Paddington Railway第1期工事(その3)

Tracks

Layout Planにてちらっと書きましたが、線路についてはKATOのHOユニトラックを使用しています。国内で入手可能なのは、あとはシノハラかエンドウぐらい。価格と在庫状況ではKATOのHOユニトラック一択です。DCCコントローラーもKATOを使う予定だったので、そこはあまり迷わずに決めました。

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ただ耐久性やバリエーションという意味ではPECO (https://www.peco-uk.com/)も魅力的です。特にHOユニトラックで出ていないカーブポイント、Yポイント、三分岐やDSSといった特殊分岐器を備えています。小さいレイアウトではポイントを入れられる場所が限られるので、それらが使える使えないはレイアウトのバリエーションに大きく影響します。PECOも通販の個人輸入で買えるので入手性という意味ではそこまで悪くないですが、足りなかったときに今日注文して明日届くという感じにはならないので、先々のお楽しみということで今回は見送りました。ただどんなものかは一度見てみたくて、試しにディスプレイ用としてPECOのストレート線路を買ってみました。

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PECOのSetrackはCODE 100です。KATOのHOユニトラック(こちらはCODE 83)と比べると、ジョイナーもしっかりしていて線路の車輪との接地面も幅広で安定感がありますね。スケールとしてはHOユニトラックが正しいのだと思いますが、次やり直すことがあればPECOも検討してみたいと思います。

(つづく)

Little Paddington Railway第1期工事(その2)

Baseboard

さて2400x1200のテーブルのようなものをどう作るか。このサイズはテーブルとしてはかなり大きな部類で、ダイニングテーブルでもなかなかこのサイズのものはお目にかかりません。ただ重量物を載せるわけではないので、架台に天板を載せるだけのシンプルな作りで十分です。

天板については部屋に置いたときの見た目も考慮して集成材を使うことにしました。幅が1200mmというサイズものはなかったので、幅方向に2分割して600x2400のものを2枚並べます。硬質で安いゴムの集成材で厚さは25mmのものをマルトクショップさん(https://shop.woodworks-marutoku.com/)で注文しました。

f:id:giovanni_ihatov:20180414095447j:plain塗装はワトコワックス(ダークウォルナット)を使って自前で。(左側が未塗装、右側が塗装中)刷毛で塗ってウェスで拭き取るだけなので、手間はかかりますが簡単で仕上がりも綺麗です。

f:id:giovanni_ihatov:20180414130811j:plain脚はIKEAのODDVALD (https://www.ikea.com/jp/ja/catalog/products/70361201/)を4つ用意。これを並べて天板を載せて完成です。

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唯一誤算だったのはこの天板がかなり重いこと。1枚23kgあります... 2階の部屋まで運ぶのは大変でしたが、ちょっとのことでは天板がズレないのでベースボードとしては上出来かと思います。

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(つづく)

Little Paddington Railway第1期工事(その1)

模型鉄道Little Paddington Railway第1期工事がひとまず完了したので、備忘録としてこれまでのあらすじを何回かに分けて書いていきます。

Layout Plan

鉄道模型を家の中のどこで走らせるか。

鉄道模型を始めるにあたって誰しも最初に考えることです。お座敷運転で遊ぶときだけ引っ張り出すならともかく、今回は固定レイアウトまではいかなくても敷きっぱなしにはしたかったので、場所を決めてやる必要がありました。使っていない部屋を鉄道模型部屋にしたり、屋根裏や床下(YouTubeで海外の例を見た)、はたまた押入れまで、ちょっとぐぐるといろんな例が見られれます。うちの場合は空いている部屋も押入れもないので、普段使っている部屋の一部を借りる形にしました。大掛かりな工事をするのもタイヘンですし、見てくれもそれなりには気を使いたいところ。まずは部屋の中にシンプルに長方形のテーブルのようなものを置いてその上にレイアウトを納める、というところから考え始めることにしました。

サイズの選定に関しては、もちろん置き場所による制限が支配的ですが、同時にある程度自由度があるレイアウトを組める大きさにしておく必要もあります。もう10cm大きければこんなレイアウトを組めるのに... みたいな状況はできれば避けたい。そこで事前にレイアウト検討をすることにしました。

レイアウト検討に際しては、Macでほぼ唯一のレイアウトソフトであるRailModeller Pro/Express (http://www.railmodeller.com/)のお世話になりました。線路のライブラリも豊富で、今回使用予定のKATOのHOユニトラックも入っています。無償版のExpressはTrack Elementが50個という制限の範囲においてはほぼ有償版Proと機能差はなく、小さいレイアウトであれば十分使えます(最終的には有償版にアップグレードすることにはなりましたが)。線路の在庫管理やショッピングリスト(単価を入れると費用の計算もできる)も出してくれるので、どれぐらい費用がかかるかもわかる優れものです。

レイアウトとしては

  • エンドレス走行できる
  • 待避線を用いた行き違いができる
  • 最小曲線半径は2nd Radius(438mm)まで

の3点を要件としました。3つ目については2nd Radius(438mm)以上であれば、たいていのOO Scaleの車両は走行可能だからです。現実にはありえない急カーブなのですが、コンパクトなレイアウトでもきちんと走れるように設計されているのはありがたいことです。KATOのHOユニトラックだとR370のカーブを使わなければOKということになります。

まずは一畳(1800x900)の大きさから初めてあれこれ試行錯誤したのち、以下のようなパターンにたどり着きました。

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これでサイズは2000x1200です。部屋の空きスペースを考えてもこのぐらいが限界かな...と一旦決めかけたのですが、試しにこのレイアウトの形で床に線路を引いて待避線に列車(機関車+客車3両)を収めてみると、、、有効長が全然足りない。OO Scaleの一両あたりの長さの見積もりを間違えていたんですね。図面をいじっているときは250mm見当で考えていたのですが、実際には300mm+は必要でした。となると、1. 列車を短くする、2. 待避線の有効長を長くする、のどちらかしかありません。またもうひとつ気になる部分としては、エンドレス走行する際の直線部分も思っていたより短く、見栄えがイマイチということ。これも図面を見ていたときには気づかなかったところです。

そこで一旦サイズのことは忘れて、「これなら納得できるレイアウト」というのを実際に床に線路を引いてみて、そこからベースとするサイズを算出することにしました。結論としては2400x1200、つまり当初の想定よりも長辺方向に400mm伸ばせば、先ほどの問題についてそこそこ納得の行く解決が見出せそうとわかりました。もちろん大きいことに越したことはないのですが...その中でも最小を取る、というところです。

サイズを2400x1200とした上で図面にもどって再度検討を進めました。ちなみにこのサイズはほぼ8”(feet)x4”(feet)となり、OO Scaleのレイアウトとしても豊富にプランがあります。(Free Track Plans for your Model Railwayなど)

以下が最終のレイアウトプランです。

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当初は真ん中にリバースを入れる想定はなかったのですが、線路をひいていったらつながったという感じです。出入口が2箇所あることで機関車ヤードの使い勝手がよくなったのと、機関車の向きを変えることもできるので、最初に組むレイアウトとしては納得の行く形になりました。

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(つづく)

新海誠展にて。

先週の日曜日、国立新美術館で開催されている新海誠展に行ってきました。

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昨年末、小海町高原美術館で行われた「『君の名は。』展」の現地の空気感が新海作品のそのものように気持ちよく、また是非とも小海町で見たいと思っていたのですが、スケジュール的に行くことが叶わず、東京・六本木の国立新美術館での鑑賞となりました。とはいえ自然だけでなく都会の描写も新海作品のもう一つの魅力であり、また同美術館は「君の名は。」の舞台にもなっていることもあり、そこで見ることはまた違った楽しさがありました。

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当日は日曜日ということもあって、朝から大勢のひとで混雑していました。10時少し前に着いてチケットを買う列に20分ほど並んだあとようやく入場。会場内もかなりのひとでしたが、見るのに困るというほとでもなかったです。どちらかというと、隣で開催されていた安藤忠雄展目当てのひとの方が多かったみたいですね。

基本的に作品が時代順に展示されていましたが、順路を行きつ戻りつの鑑賞で、結局出口にたどり着いたのはお昼過の1時過ぎ。3時間弱かかりました。

昨年大ブレイクした「君の名は。」はそれ以前の作品で培われた様々な表現の集大成であることはよく言われることですが、今回の展示は「君の名は。」を出すためには「言の葉の庭」がなければならず、また「言の葉の庭」が出てくるには「星を追う子ども」が必要だったのだという試行錯誤の過程を強く意識させるものでした。

同じようなテーマの作品を反復的に作ることにより顧客のユーザー体験を向上させる手法は、ソフトウェアやネットワークサービスといった現代のプロダクトの開発に似ています。新海作品は、その圧倒的な映像美や音楽との調和という表面的な特徴だけでなく、むしろその制作プロセスが大きな特徴なのだと言えるかもしれません。

今回の展示で一番僕がよかったと思ったのは「言の葉の庭」の展示に掲出されていた2編の趣意書です。「『言の葉の庭』 - マーケティングについて」「『言の葉の庭』 - この作品について思うこと」と題された企画書(新海誠展図録 p.103)には、この作品の内容とねらい、誰にどう届けるべきかが明確に言語化されているのです。ある意味、作品制作の舞台裏・ネタバレであり、他の作品と何が違ってどうやって売っていくのかみたいなことがストレートに書かれています。これには2つの大きな前進が見られます。ひとつは作品の相対化。細田作品、宮崎作品、京アニ作品を例に挙げ、何が違いどこを目指すのかをはっきり示してあること、もうひとつは言語化を通じて作品に携わる多くのひとに正しく自身の意図を伝えようとしていることです。

ここに至る詳細について語る資料を持ち合わせていませんが、「言の葉の庭」前作の「星を追う子ども」の解説に書かれた「観客の反応から『今、観客は何を観たいのか、それと自分をどのようにリンクさせるのかを真剣に考えるきっかけとなった』」(新海誠展図録 p.71)という部分を受けて、この企画書2編が展示されていると推察するのが適当と思います。

僕個人の体験としてこの変化点で、「星を追う子ども」を観たときに「ああ新海さんもここで終わりかな」と思ったこと、そのあとの「言の葉の庭」で「こんなものが作れるなんて」という驚きがあったこと、それぞれがありました。そして、それはまったく偶然ではなく、作品の制作に関する前進があったからだと確認できたことが新しい発見でした。

制作環境の進化やツールの充実による表現技術の向上と、新海さん自身の作品(プロダクト)に対する向き合い方の前進による反復制作の行方がどうなるか、これからも見るのがとても楽しみです。

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