Dapol GWR Large Prairie

今年2台目の機関車は、DapolのGWR Large Prairieです。

製品発表から3年の歳月が経ち、途中行方不明になりつつも、昨年末についに発売。DCC Ready版が先行して出荷されていましたが、年が明けてようやくDCC Sound版が届きました。

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用意された7種類の仕様のうち、最晩年(ERA 5)にあたるBR Lined Green with Late Crestを選択。ダイキャストとプラスチックをうまく組み合わせて作られたボディは緻密さと重量感を兼ね備えており、足回りも美しいです。

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またDCC対応については、煙室にDCCデコーダーおよびスピーカー収めるべく、あらかじめスピーカーの付いた専用の基板が用意されており、Next18ソケットにDCCデコーダーを挿せば何の問題もなくDCC化できる設計になっています。また煙室扉を外せば、ボディを外さなくとも基板を引き抜いてデコーダーを取り付けられるようになっており、他の英国鉄道模型メーカーにはない先進的な取り組みがなされていると言えます。

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(写真左)ボディをはずしたところ (写真右)Next18ソケット部
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(写真左)専用基板(表面) (写真中)専用基板(裏面) (写真右)煙室扉をはずしたところ  

本当に申し分なくお手軽に遊べると思っていたのですが... ここからが苦労の始まりでした。DCC Soundで最も気を使うべき集電性能がいまいちだったのです。十分にメンテナンスされた線路では問題ないと思うのですが、うちのレイアウトのようにinsulfrogのポイントを使っている場合、どうしても無電区間が多くなり、ポイント通過時にしばしば立ち往生が発生します。特に低速時は完全に止まってしまう有様。これではとても運用に入れません。

Stay Alive回路の追加→不発

集電不良への対応としてまず考えられるのが Stay Alive 回路(コンデンサ)を付けること。幸いDCCデコーダーの素性はZimoのMX658N18とわかっているので、デコーダーにStay Alive用のPadはないですが、VCCとGNDに接続すれば機能するはずです。が、前述した専用基板からVCCやGNDを引き出すことができなさそうなのです(参考[youchoos.co.uk])。

しょうがない... きれいに設計された専用基板を、泣く泣く代替のNext18ソケット基板で置き換えることにしました。

Desktop Stationさんで扱っているAYAさんのところの基板を調達。これに配線をつなぎなおします。またスピーカーとStay Alive回路接続用の配線もあらかじめ出しておきます。

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(写真左上)AYAさんとこ (写真左下)Lais DCC (写真右)結線状態

まずは安価なLais DCCデコーダーを使って動作確認。

本当はこのあとFirebox Flickerの配線(3本)をする必要があるのですが、密集した小さなPadにトラブルなく接続できる自信がなく、そこはヒヨって撤退。

というわけで、これで準備OK。もともとのデコーダーに入れ替えてテストを始めましたのですが。線路電源をカットするとサウンドは動いてくれるのですが、モーターは即停止してしまうようです。コンデンサ容量の問題かな?と思って、試しに大容量のものに入れ替えて試してみたのですが、結果は同じ。サウンドは鳴るのになぜ... 結果的にはStay Alive回路追加の作戦は不発に終わりました。。。

集電シューの追加→正解

となれば、やはり集電をなんとかするしかない!

Prairieの軸配置は 2-6-2 。既に集電シューが付いている動輪の6輪以外、すなわち前後の先輪または従輪のどちらかから集電できれば、かなりいい補助になりそうです。集電シューには、Brake VanへのLampの取り付けで使ったDCC ConceptsのWiper Pickupに再登場してもらいました。

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輪径の大きい従輪にWiper Pickupを取り付け、既存の集電板から燐青銅板で新たに設置した接点を経由して配線を伸ばします。見た目も問題なさそうです。

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レイアウトでのテスト走行結果も良好。立ち往生していた低速でのポイント通過もなんなくクリアしました。

んー、ということは。何も基板を置き換える必要はなかったということですね... (あの苦労はナンダッタンダ... )Firebox Flickerを撤去してしまったのはイタイですが、スピーカーはひとまわり大きい15x11mmに置き換えられたし、走りは問題なくなったのでヨシとしましょう。