車庫改修プロジェクト(その5)

予告通り、今回は照明のお話です。

一昨年から始めたレイアウト製作では、建物の類には極力照明を入れるようにしているのですが、車庫エリアに関して建物は小さな車庫とSignal Boxだけ。留置線に関しては一部にヤード照明を入れていましたが、夜景を撮ると真っ暗という感じでした(赤点線枠部分)。 

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夜の闇、影も情景としては大事な要素で、なにもレイアウトを隅々まで明るく照らす必要は全くないと思います。ただ、せめて夜間車庫で作業するひとが困らない程度には照明を入れていこうと思い、今回の改修に合わせて照明を追加することにしました。

以下は計画概要図です。オレンジで印をつけたあたりに計7箇所照明を配置して、薄いオレンジで囲んだ範囲をカバーする想定です。

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Viessmannの照明

これはよく言われていることですが、英国で鉄道模型を楽しむ人たちは、あまりレイアウトの夜景や夜間走行を楽しむという前提がないようです(もちろんやっているひとはいるが多くはない)。したがって、英国の鉄道模型メーカーから出る車両に室内灯オプションは少ないですし、レイアウトに使用するような照明のストラクチャーもほとんど出ていません。仕方ないので、今まではJAMなどのイベントで出展されているお店で、英国型レイアウトでも使えそうな照明ストラクチャーを見繕ってきたました。たださすがに今回のような車庫やヤードで使えそうなものはなく、ここは鉄道模型大国ドイツのメーカーのものを物色することにしました。

取り寄せたものは、以前の記事「Modellbahnshop-lippeでお買い物」にある通り、Viessmannのものです。LED照明の完成品で価格も1つ€10-20あたりと非常にお手頃です。以下、場所ごとに使用したパーツと仕上がりを紹介していきたいと思います。

まずは給油所。その2で少し触れていますが、屋根の下には別途蛍光灯型照明を組み込んでおり、前後に2つ全体を照らすヤード照明を配置しました。形としては現代的なT字型。色も電球色ではなく、屋根下照明と同じ白色を選びました。

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次に整備プラトフォーム。ここは給油所と同じT字型でもよかったのですが「スポットライト型のヤード照明を使ってみたい!」という理由だけで、一端にスポットライト型照明を配置して全体を照らすようにしてみました。スポットライトの角度は上下であれば稼動させて調整できるようになっています。整備プラットフォームがちょうど収まるぐらいの範囲に、照明の位置とスポットライトの角度を調整しました。

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蒸機区画ですが、以前留置線に使っていたBELI-BECOの照明を車庫の前後に持ってきました。LEDではなく電球なので、柔らかい光が特徴です。

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また車庫の外の給炭線にも照明を2つ。こちらはBELI-BECOの照明の形に合わせて、少しレトロな感じのする形のものを選びました。照明色も電球色です。LEDの電球色はそれでもかなり色温度の高いものが多いのですが、VissmannのLEDはちゃんと色温度が低く設定されていて、本物の電球であるBELI-BECOの照明と並べて使っても違和感がないです。優秀だと思います。

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設置に関して。今回使用したViessmannの照明は、すべて6mmΦの穴に照明のベースを差し込むように設計されているので、6mmΦのビットを使ってベースボードに穴に開け、緩みなく設置することができました。またスポットライトを除いては「Kontakt-stecksockel」という脱着ソケットの仕組みが備わっていて、写真にあるようにベースと上部の照明ストラクチャーが分離できるようになっています。設置時には上部の照明ストラクチャーをはずしてベースだけの状態で進めることができるので、誤って照明を破損してしまうような心配がありません。また万が一照明が壊れてしまった場合でも、ベースはそのままで上部の照明ストラクチャーだけを交換することができます。これも非常に優れた設計だと思いました。

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配線について。最初に導入した照明がわき役黒ちゃんから購入したこともあって、各照明への電源供給は写真にあるようなコネクターとプラグアレイを使用しています。プラグアレイは電源電圧ごとに分けて用意(DC9V, 12V, 18Vの3系統)してあり、Viessmannの照明は18Vに接続しています。

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照明の配線が増えたので、どのコネクタがどの照明につながっているかわかるようにテプラでタグ付けしてみました。が、カオスな絵面なのは間違い無いですね... この狭いレイアウトでも20箇所以上に供給していることになります。車庫に照明を入れると、貨物ヤードや踏切などにも追加したくなり... さらにカオス度が増しそうです。

最後に全景。今回ちょっとこだわったのは照明色です。左のディーゼル区画は白色系、右の蒸機区画は電球色でまとめてみました。どちらの色も味があり、それぞれの良さがあります。コンクリート基調のディーゼル区画とレンガ基調の蒸機区画、それぞれが映えるように構成してみました。

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 長々と続けてきた車庫改修プロジェクトの報告も、次回が最終回となります。触れてなかった細かい改修とともにまとめをしてみる予定です。(つづく)