さてストラクチャーたちが出来上がったので、その4からはレイアウトに戻って仕上げを進めていきます。
夏草萌ゆる車庫
本物の車庫(主に英国の)を真似るとするならば、線路はもとよりその他の場所もオイルに汚れた黒々とした地面が続いている、という感じにするべきところですが、ここは保存鉄道Llancot Railwayの車庫。一般の見学者も受け入れているという設定なので、親しみやすい明るい雰囲気を目指すことにしました。特に今回改修したDiesel Depotの区画は、Static Grassを使って思いっきり夏草萌ゆる感じにしたいと思います。
もともとバラストが敷き詰めてあった線路と線路の間は、バラストを完全に撤去し敷き詰めた5mm厚のコルクが見えている状態です。地面の高さはこのままで問題ないので、このコルクの上に下地を作ります。
ストラクチャーの土台をマスキングテープで保護したあと、地面にあたるところにWoodland ScenicsのFine Turf (Earth)をざっくり隙間なく撒きます。このあとStatic Grassで覆ってしまうので、多少のムラは気にしなくてもよいですが、隙間があると目立つのでとにかく隙間なく埋めます。どうせStatic Grassで隠れるなら下地は必要?と思うところですが、この下地を作って置くことで、仕上がり時のフサフサ具合がよくなるように思います。(※個人の感想です)
下地が完全に乾燥するまで1日待ったあと、いよいよStatic Grass撒きの開始です。自分が使っているのはWar World ScenicsのOEM品であるPECO PSG-3 Pro Grass Precision Applicator。大きな面積を撒くのでなければ、このサイズでも十分。電源も9V角型電池なので、入手性、可搬性も問題ありません。糊はホビーセンターカトー東京で売っていた草はら糊(NochのOEM品?)、Static GrassはPECO PSG-402 4mm Summer Grassを選びました。
袋から取り出した直後のStatic Grassは固まってしまっていることが多いので、十分にほぐしたあとにApplicatorに詰めます。
次にあらかじめStatic Grassを撒く範囲の境界をマスキングテープで覆います。こうすることで正確な範囲に撒けると同時に、飛び散った余分なStatic Grassを回収しやすくもなります。草はら糊を下地の上に塗ったあと、Applicatorを一生懸命フリフリします。余計に撒いてもあとで吸い取ればいいので、とりあえず下地が見えなくなるぐらいまで撒いてしまいます。
糊が乾燥するまで2, 3時間待ったあと、ハンディクリーナーで余分なStatic Grassを吸い取ります。このお掃除が仕上げに影響するので、Static Grass撒きにはハンディクリーナーも必需品です。吸い取ったStatic Grassは再利用できるので、ゴミと混ざらないようにできれば専用のものを用意できるといいでしょう。
こちらが仕上がりの状況です。そこそこ草が立っているのが見て取れると思います。
追加工事として、車庫中央に移設したSignal Boxに、工事のため一時撤去していた木立を寄り添わせました。
建物と樹木をうまく組み合わせることで、立体感とお互いのスケール感を出すことができます。自分のお気に入りのデザインです。またSignal Box建物の周りを花で飾ってありますが、建物の裾にあたる部分を植物等で隠す覆うというのも、自分がよくやるごまかし好きなデザインですね。
最後にストラクチャーを置いてみた全景。ようやく車庫らしい雰囲気になってきました。
(2020.9.5追記)
今回大きく手をいれない蒸気区画については、Static Grassを使うのではなく今まで通りFine Turf + Coase Trufを使っての緑化としています。アクセントにNoch 7027 Grass Tufts XL Meadow(左写真)を使ってところどころ草地を入れました。
Static Grassを撒いたところに比べて少し荒れた感じが出ていると思います。
次回は照明のお話をしたいと思います。(つづく)