「スカイ・クロラ」シリーズ(森博嗣・中央公論新社)

北半球一周ツアーで飛行機にたくさん載った影響か何かわからないけど、森博嗣の「スカイ・クロラ」シリーズを全部読み直して見ました。最初に読んだときは、「クレイドゥ・ザ・スカイ」で訳がわからなくなり、その前の「フラッタ・リンツ・ライフ」の読み方も間違ってたのでは... と読み直しを躊躇してしまっていました。
なので、今回は「ナ・バ・テア」から順に時系列を追って読み、かつ「本読みな暮らし」にある「『スカイ・クロラ』シリーズの謎解きに挑戦」を参考にさせていただきました。特に「クレイドゥ・ザ・スカイ」の主人公をどう読むかと、「スカイ・クロラ」の位置づけは大変参考になりました。再生技術とか記憶の移植とかそういう話を一切忘れるべきだったのですね。
乱暴に言うと「ナ・バ・テア」から「クレイドゥ・ザ・スカイ」までが本編で、「スカイ・クロラ」は後日談のように考えると、僕の中では矛盾なくつながる感じがします。
特に草薙水素については、本編があるから「スカイ・クロラ」の「私を殺して」がストンと腑に落ちるように思いました。ティーチャとの件はともかくも、「ナ・バ・テア」での比嘉澤に対する邂逅や「フラッタ・リンツ・ライフ」でのクリタとの最後の電話のやりとりなど、確かに文字には何も書かれていないのだけど、彼女自身の前向きな真剣さが痛いほど伝わってきて、僕を虜にするのです。
そう思うと映画のラストで泣いたりするのは、ちょっと違うかなと思ってしまいますね。いまさらですが。