「私の東京物語」「私の軽井沢物語」

私の東京物語―蘇る日々―わが家のアルバムから
ベッキーさんシリーズの参考文献になっていた朝吹登水子さんの本2冊を読了。物語に挿入されている女子学習院にまつわるエピソードや軽井沢での生活描写の大半は、この本から借用されている模様。ということは、とりもなおさずそういう生活をしていたひとがいらっしゃる、しかもそれなりの数、しかもそれほど遠くない昔に、である。本当に70年ぐらい前までは、物語で書かれているような上流階級の世界があり、しかもそれが社会的常識として存在し、別の世界として成立していたわけです。その是非はどうであれ、しかも形を変えて今も残っているかもしれないけれど、確かに幾ばくかのものは失われてしまったという事実はあると思う。もう昔には戻れないけど。残念ながら。
話に出てくる高輪の朝吹邸(現東芝高輪倶楽部)が、大学時代の友人の自宅のすぐ近くということがわかってちょっとびっくり。桂坂あたりはよく歩いていました。友人の部屋からも高輪プリンスホテルの庭(元北白川宮邸)が見えるし、昔の地図を見ると品川駅の向こう側(港南口)は海なので、東京湾が見えるという記述も納得。