「竜とそばかすの姫」に関するメモ

「竜とそばかすの姫」を観た。

とはいえ、楽しみに観に行ったというよりは、ブログなどに書かれた感想を読み漁るうちに、本編を見ずにそれにコメントをするのは気が引けるのでとりあえず観ておくか、という体である。

細田作品は「時をかける少女」あたりからずっと観てきていて、「バケモノの子」までは特に引っ掛かりもなく楽しく観ていたのであるが、「未来のミライ」で完全なる拒否反応を起こして今に至る。自分としても、この「竜とそばかすの姫」でダメだったら、たぶんもう細田作品は合わないんだろうな、と思いながらの鑑賞であった。

結果は... 1ミリもいいとは思えないまま、エンドロールが流れた。

よく書かれているストーリーのアラに関しては、期待していなかった分、正直それほど気にならなかった。それよりも、登場人物の中で共感できるやつが誰一人としていなかったことの方が致命傷だった。全員が気持ち悪いのである。

母親を事故で亡くして、大好きな歌を歌えなくなった「すず」。どうして母は、娘である自分を差し置いて、見ず知らずの少女を助けるために命を投げ出してしまったのか。トラウマになるには十分な過去ではあるが、それは過去の話なのである。物語が描かれるのは、それから10年ほどの歳月が経ったところだ。もちろんいくら歳月が流れようとも決して癒されない悲しみというものもある。でも彼女の周りには、父親もいれば、親友と呼べる女友達も、幼なじみの男友達もいる。母が所属していた(?)合唱サークルのおばさんたちも、きっとずっとすずを見守っていたに違いない。

もしこれが、両親とも死んでしまったとか、おまけに施設にでも送られて、自分の胸中を語る相手がいないまま過ごしてきたというのなら、まだわかる。でもすずにの周りには、彼女のその悲しみを共有し、救いの手を差し伸べられる潤沢なリソースが揃っているのである。にもかかわらず、彼女はまだワダカマリを抱えたまま高校生になっている。これはどう考えても何かがおかしい。

特に一番彼女と悲しみを分かち合う存在になるはずの父親の描かれ方は、じつにひどい。もはや明確な悪意を持って描かれているとしか思えない冷たさである。彼も最愛のひとを亡くし、家族を守ることを半ば放棄しかかっているという設定なのであれば、真っ先に救われるべきはすずではなく、その父親の方なのではないかと思うぐらいだ。

いずれにしても、母親が亡くなってから10年以上経ってもなお、すずがワダカマリを抱えたままになっているのは、もはや彼女の生活する環境は彼女を救うに値しなかった、という明確なメッセージではないか。Uは単なるキッカケだ。少女よ、故郷を捨てよ、都会に出よう。それこそ、彼女が本当の姿を取り戻す道なのである。

もしこの映画のラストが、家に帰ってきてよかったね的な終わり方ではなく、あの兄弟と駆け落ちまがいのことをして、一度は児相に踏み込まれて故郷に送り返されるも、一念発起、猛勉強の後に無事東京の大学に進学を果たし、兄弟とすずの3人で新しい生活を始めるとかだったら、まだ納得できたかもしれない。そんな妄想だけが、残った。

(あれ、なんかそんな映画をどっかで観たような...)

IORI工房 ハ1005 への室内灯の組み込み

電飾シリーズをさらにもう一つ。年初に製作したIORI工房のペーパーキット ハ1005 にHornbyのMAGLIGHTを室内灯として組み込んでみました。

Hornby MAGLIGHTとは

Hornby MAGLIGHTとは、Hornby 2021 Rangeの4 & 6 Wheel Coaches用の室内灯キットです。4 & 6 Wheel Coachesは、室内灯付きと室内灯なしの2バージョンがありますが、室内灯なしのものにも後から室内灯を組み込めるように、室内灯キットがMAGLIGHTとして別売されました。

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パッケージの中には、上から順に、室内灯をオンオフするための磁石、電池ボックス - 基板 - テープLEDが配線されたキット本体、基板をボディに止めるためのネジ、ボタン電池(CR2032)が入っています。

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キット本体(写真左)と基板部分(写真右)

MAGLIGHTの特徴としては、車輪集電ではなくボタン電池(CR2032)を電源とした上で、リードスイッチを使った磁石によるオンオフが行えることです。これにより、車両への加工を最小限にして、室内灯を組み込むことができます。

ちなみに磁石によるオンオフは、このような動作になります。

今回はこのキットを利用して、ハ1005に室内灯を組み込んでみることにしました。

電池収納および室内製作

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さて生贄組み込み対象となるハ1005は、写真の通り室内はがらんどうで、先ほどの室内灯キットを収めるだけであれば、何の問題もありません。ただ当然のことながら、室内灯で室内表現が全くない状態がはっきり見えてしまいますし、大きなボタン電池ケースも目立ちます。

そこで、ある程度の室内表現(座席など)を行うと同時に、ボタン電池ケースを覆い隠せるようなものを自作してみることにしました。

しかしハ1005の車内がいったいどうなっていたのか... Twitterでつぶやいていたら、IORIさんが助け舟を出してくれました。

イメージはできたのですが、手元にはレーザーカッターも3Dプリンタもないので、プラ棒とプラ板、あとは真鍮線で出来る範囲にうまく落とし込む必要があります... 設計図も書かずに、ダメもとで作り始めることにしました。

まずは電池ケースを覆い隠せるような台を3mmの角プラ棒(2段重ね)と1.2mm厚プラ板で作ります。

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この底上げした平面を座面として、座席になるように不要な部分をくり抜きます。背もたれになる部分は、2mmの角プラ棒を0.5mmの真鍮線で支える構造としました。

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一旦ボディにはめてみて、窓越しに見た目を確認します。色を塗れば、IORIさんに教えていただいた、加悦鉄道のハ4995の室内に似た雰囲気になりそうです。

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塗装は、座席にあたるところはMr カラーのC7ブラウン、それ以外の部分は室内の壁と同じC44タンを使って塗り分けました。座席は本当はもう少し落ち着いた色だと思うのですが、明るめの色にした方が室内造作がはっきりと目立つだろうという理由で、この色にしています。

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もう一度、ボディをはめて確認。試しにフィギュアも置いてみました。なかなかいい感じです。

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組み立て

部品が出来たところで、組み立ててみます。

まずはMAGLIGHTのLEDテープをボディサイズに合うように6灯分→4灯分に短縮し、さらに真ん中の2灯分はアセテートテープでマスキングします。(実車の天井ランプは2つしかないので)

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次に、LEDテープを天井に、基板は妻面の壁面に固定します。固定は後のメンテナンスも考えて、全てBlack Tackを使いました。基板には、上からマスキングテープを貼って目立たないようにします。

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さきほど塗装した座席パーツに電池ケースを固定して、さらにボディに固定します。フレームをネジ止めすれば、無事組み立て完了です!

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 完成動画はこちらから。

ちなみに費用とか

MAGLIGHTはHattons価格で1つ£9.16(VAT抜き)なので、決して安いとは言えませんが、オールインワンでかつ加工のしやすさから考えると、十分価値はあると思います。また3Vの電源が取れるので、応用の範囲はいろいろとありそうです(本当はこの基板を自作できれば一番いいんですけどね...)。

Network Rail PLPR車両の電飾

前回までのBrake Vanへのランプ取り付けの経験を踏まえて、もう1両電飾を施すことにしました。ターゲットとなる車両は、Network RailのPLPR(Plain Line Pattern Recognition)車両です。

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PLPR車両は、英国で鉄道設備の保守点検を行うNetwork Railが所有する線路の検測車です。Class 37のPush-Pull運行のネタにしようと思って購入したのですが、YouTubeで実際の運用を撮影した動画を見ていると、床下に特徴的な照明があることに気付きました(機関車を除く前から3両目がPLPR車両)。

 

ボギー台車付近に線路に対して垂直方向に「直線状の白い光」(カメラで線路を走査するための照明?)と、中程にオレンジ色の「カンテラ」(役割はよくわからない)が見えます。

模型への室内灯の組み込みは一般的ですが、このような床下の照明はあまり見かけません。なので、是非とも再現したいと挑戦してみることにしました。

部品の準備

電飾のためのLEDは、模型電子部品ショップMSRさんから取り寄せました。

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MSRさんは、以前JAMに出店されていたときに、小型電球を使った街灯を購入させていただいたことがあるのですが、今回も「こんな感じの電飾部品があったら」と思うものがそのままありました。LED部品のバリエーションが豊富なのと価格が手頃なので、おすすめのお店です。

さて、もちろんこのままでは取り付けられないので、部品を加工していきます。

まずは「直線状の白い光」ですが、これを再現するためには、照明の当たる範囲を真下に、しかも直線状に区切るスリットのようなものが必要です。そこでプラ板で写真にあるような覆いを作ってみました。

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そして赤矢印の部分に配線済みチップLEDを埋め込みます。このままでは目立つのとプラ板から光が透けてしまうので、サフを吹いたあとに黒く塗装を施しました。

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次にカンテラ。こちらは部品の段階でドーム形状になっているので、これをそのまま活かして、レンズ部分以外のクリアの部分についてサフを吹いたあとに黒く塗装。さらに車両の左右方向にうまく設置できるように2つの部品を接合して、配線を取り付けました。

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 Mk2分解

まずは車両の分解から。HornbyのMk2の分解は、Mk1よりもずっと簡単だと思います。まずはボギー台車をはずします。ねじ止めとかはされていないので、ツメの形状を考えて前後方向に少し押してから引っ張るとスルッとはずれます。

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つぎにボディを開けます。こちらもねじ止めなどはされていません。ドアステップのすぐ隣、赤矢印あたりにマイナスの精密ドライバなどを差し入れて、フレームを浮かせるように持ち上げます(写真右)。あとは隙間からボディーとフレームを引き剥がすようにすれば、素直にはずれます。

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本物のPLPR車両は、座席は取っ払われて検測機材が積み込まれていると思うのですが、この模型ではMk2 TSOのものをそのまま流用しているようでした。

ボギー台車の集電加工

集電は、Brake Vanのときに使ったDCC ConceptsのWiper Pickupを使います。もともとこのボギー台車向けにあつらえたかのようで、ねじ止めで固定可能で、車輪に対する集電板のあたり具合も良好です。

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配線はツメの隙間から引き出します。

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電飾の取り付け

先ほど準備した部品を床下に取り付けます。ゴム系接着剤でしっかり固定。見た目は全くキレイではないのですが、どうせ見えない部分なので、そこは割り切りです。フレームの真ん中に大きな金属ウエイトが載っているので、そこを避けた形で穴を開け、配線を室内に引き込みます。

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資料がないので、正直場所については動画からの推測と、見た目、加工のしやすさを優先しました。床下機器の位置もMk2 TSOの流用なので、本当は違うと思います...。

室内に出した配線を車端部まで引き回し、基板にハンダ付け。ちょうど隙間に収まりました。

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線路に載せて試験点灯。問題なさそうです。

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 ボディーを嵌めてレイアウト上でも試験。正確性はともかく、特徴的な床下照明の感じは出せたかなと思います。

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 Mk2は分解も簡単で、Wiper Pickupを使った集電もお手軽なので、一般車両の室内灯加工もやってみたいところです。

Brake VanへのLampの取り付け(その4)

DCC制御にしたGWR Toad Vanですが、アナログ回路のときに効いていたキャパシタによるFlicker Freeの仕組みがないので、チラつきが目立つようになってしまいました。

Pick up 位置の調整

まずは集電の改善を行います。取り付けた集電板をよく見ると、車輪に当たる位置が車輪の内側に行き過ぎていることがわかりました(水色矢印)。車輪の内側はプラ製のスポークなので、これではうまく集電できません。そこで基板ごとずらして、集電板が車輪の最も外側の金属部分に当たるようにしました(黄緑矢印)。

 

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改修前(写真左)と改修後(写真右)

 Stay-Aliveの取り付け

Pick upの位置を調整することで集電性能は改善しましたが、まだポイントなど無電区間が長くなるところなどではチラつきが出てしまいます。これを完全になくすには、デコーダーにStay-Aliveの回路を取り付けるしかありません。

使用しているlais dcc 860015には特にStay-Aliveを取り付ける場所はありませんが、たぶん大丈夫だろうということでVF+とGNDに回路を取り付けてみました。

HornbyのTTSデコーダーではこれでうまくいったのですが... 変化がありません。調べていくと、PanGuシリーズ8600xxはStay-Alive非対応のようで、対応しているのはKangFuシリーズ8700xx。ただKangFuシリーズでは、まだNext18インタフェースのものが出ていないので、lais dccからの調達は諦めるしかありません。(ちなみにHattonsデコーダーでも結果は同じでした)

ちょうどYouChoosにサウンドデコーダーを発注する予定があったので、ZimoのStandard DecoderでNext 18インタフェースのものを取り寄せることにしました。ファンクションデコーダーもあったのですが、出力ファンクションは2系統あればよく値段も変わらないので、こちらの標準デコーダにしてみました。

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同じくYouChoosで売っているLifeLink回路を通じてキャパシタを接続します。キャパシタは場所に余裕があるので、大型の25V1000uFのものをつけてみました。

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また換装ついでに、今までF1, F2で操作していた点灯を、F0(点灯、消灯)と進行方向(パターン1、パターン2)で制御できるようにしました。

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いったいいくらかかるのか?

さて、このTail Lampの取り付けのコスト面はどうでしょうか?DCC Conceptsのランプを3個取り付ける場合の、ざっくりの概算は以下の通り。

  • Pick Up 2 個 ...  £2 (300円)
  • Lamp 3個 ... £9 (1,350円)
  • Fricker Free回路 ... 100円
  • Next18基板 ... $4(480円)
  • DCCデコーダー ... £17 (2550円)
  • Stay-Alive回路 ... £5(750円)

DCCデコーダー制御をしなければ1,750円、DCCデコーダー制御までやっちゃうと5,430円となりました(細かい部品代や送料は含まず)。これを高いと思うか、こんなもんかなと思うかはそのひと次第ですが、DCCデコーダーまで付けるのはちょっと割高な感じがしますね。

ともあれ、手持ちのBrake Van3台とも無事にTail Lampを取り付けることができたので、大変満足です。次は本丸の蒸機にいきたいですね。(おわり)

なぜ君は総理大臣になれないのか

今年の初めに「傾国」というタイトルで思いを書きつけてから半年。その間に、コロナの状況は目まぐるしく変化した。1ヶ月で緊急事態宣言の解除は無理だろうと書いたことは、その通りになった。1ヶ月延長して解除してみたものの、特に何の対策も講じていなかったので、再び感染が広がって再度の緊急事態宣言。東京五輪の日程を踏まえて(それ以外の根拠はない)、明日から(沖縄を除いて)解除されるのだけど、たぶんまた同じことが起きるはず。ワクチン接種が進んでいるイギリスですら、デルタ株の蔓延で再び新規患者が1日1万人を超える状況になっている。いわんや日本をや。わかってないはずがない。それがわかっていて判断が下されている。そういう国に、僕らは生きている。

でも今日話したいことは、そこではない。小川淳也という政治家、そして個人と社会の幸福の追求の話だ。

小川淳也という政治家

小川淳也という政治家を知ったのは、Pencroft氏の以下のブログ記事が始まり。

「なぜ君は総理大臣になれないのか」。ラノベのタイトル風でもあり、映画のタイトルとしてはなかなかインパクトがある。いまをときめく平井卓也デジタル改革担当大臣の地元である香川1区で、ジバン、カンバン、カバンなしの小川淳也衆議院議員の17年の闘争を記録したドキュメンタリー映画だ。

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構図としては理解しやすい。自分も地方の出身なので、地方の政治がどういう力学で動いているかは想像に難くない。国会議員であれ地方議員であれ、その地域の個人や企業と何らかの形でつながりがあり、言ってしまえばそれがすべて。思想信条や公約なんてまーぶっちゃけ関係ないのである。誰しもどこの誰かもわからんやつに投票するよりは、ちょっとでも知ってるひとに投票しようと思う。平井は祖父、父も大臣経験者という三代にわたる政治一家であり、典型的な世襲政治家だ。政治だけでなく、家族・親族が地元メディア(四国新聞RNC西日本放送)を経営してるとなれば、言ってしまえばお殿様みたいなものである。知らないやつはいない。一方の小川はというと、美容院のせがれで政治とはかすりもしない家の生まれ。東大法学部から自治省官僚と世間的にはエリートコースと言われる道を歩んではいるものの、無名。その上、政治未経験の若造に平井は圧倒的な壁だ。それでも2005年の初当選から、民主党民進党希望の党→無所属→立憲民主党と変遷を経て、当選5回(比例復活を含む)を重ねる衆議院議員を務めるに至る。

公開当時は同じく政治ドキュメンタリーの「はりぼて」が話題になっていて、自分も田端のミニシアターに観に行ったりしたのだけど、こちらはついに映画館で見ることは叶わなかった。先月になってようやくネット配信が始まったので、早速観てみた。

映画の中でも何度も触れられる「小川淳也は政治家に向いていないのではないか。」これが映画を見たひとが最初に抱く感想だと思う。政策を熱っぽく語る姿は志士のようでもあり、多くのひとが思う「政治家像」とかけ離れている。野心、腹黒さ、凄み。彼にはまったくその気がない。政治の最高峰ともいうべき国会議員ともなれば、あごで人を使うような尊大さがなければやっていかれない。そんなふうに思っていたのだけど、彼もまた立派な衆議院議員なのである。

彼のように、志を曲げることなく、自分や家族の身までも賭して何かをなそうと思うひとこそ、本来政治家になるべきではないか。つまり小川淳也は政治家に向いていないのではなく、向いてないと感じた自分たちの方に問題はないのか。

これは「はりぼて」でも同じで、政務活動費を懐に入れている政治家を許す有権者の存在があるからこそ、彼らは政治家でいられる。なぜ小川淳也は総理大臣になれないのか。それは彼の問題なのか。彼を総理大臣にできない自分たちの問題ではないのか。「この政治家のことをもっと知りたい。そして応援したい。」自分が政治家に対してそんな感情を抱いたのは、このときが初めてだった。

そしてつい先日、この映画を補完する形で一冊の本が刊行された。

本当に君は総理大臣になれないのか (講談社現代新書)

ノンフィクション作家の中原一歩の手を借りて、小川淳也の生い立ちや映画では描かれない官僚時代のエピソード、また具体的な彼の政策とそれをどう実現するのかを、インタビュー形式でまとめたものだ。

自分は彼の提唱する政策そのものよりも、彼が政治をどのように変えたいのかという部分に興味を惹かれた。「国民とともに政権公約を作成」では、このように説明されている。

党首が本気になって全国に出向いて、巷で市井の人々と討議しながら政権公約を一から練り上げるっていうのは、日本の歴史ではまだ例がないと思うんです。こうした、本当の意味での国民との徹底討議を経るというプロセス抜きにしてできあがった政権公約というのは、血肉になっていない気がするんです。

また「社会保障改革国民会議の公募・設置」の件では、このようなことが書かれている。

僕は全国民からの公募による、文字通りの国民会議を招集したいです。抽選でもいい。
そのときだいたい100人ずつぐらいの国民会議のグループを3つ作りたいんですよ。1つめのグループは1950年代の人口構成比率に合わせた100人。2つめのグループはいま現在の人口構成比率に合わせた100人。3つめは高齢化率がほぼ極限に達すると言われている2050年の人口構成比率に合わせた100人です。
3つのグループを作って、大きな会場にグループごとに集める。そうすることで、1950年代の国家、いまの国家、そして30年後の国家を可視化させる。そこでその3グループに徹底的に議論していただく。

彼の言葉の端々から感じられるのは、国民に対する絶対的な信頼だ。でもちょっと待てよ。そんなに彼が思うほど、自分たちはこの国のことを考えられるのだろうか。その重みに耐えきれないひともいるだろうし、そもそも背負いたくもないと思っているやつも山といるはずだ。社会の幸福よりも個人の幸福を追求したいと思うのが、人間の性なのではないか(たとえそれがリンクしていたとしても)。

もし本気で彼がこのような方法論で政治を進めたいと思っているのであれば、そのようなひとたちを、どう巻き込んでいくつもりなのか、聞いてみたいと思っている。

 誰もが珠晶みたいにはなれないからね。

「君は王になったら、贅沢三昧ができるね。たくさんの下官が君の足元に身体を投げ出して礼拝する」
「ばかみたい。あたし、今までだってそりゃあ贅沢してきたわよ。立派な家だってあるし、利発で可愛いお嬢さんだって大切に大切にされてきたんだから」
「なのに、荒廃が許せないんだね。ーーーなぜ?」
珠晶は呆れ果てた顔をした。
「そんなの、あたしばっかりだいじょうぶなんじゃ、寝覚めが悪いからに決まってるじゃない」
「そう……」
「国が豊かになって、安全で、みんなが絹の着物を着て、美味しいものをお腹いっぱい食べてたら、あたし着替えたりご飯を食べたりするたびに、嫌な思いをせずにすむのよ。心おきなく贅沢のし放題よ」

小野不由美「図南の翼」より)

Brake VanへのLamp取り付け(その3)

さて、残りの2両についても順に進めていきます。まずHornbyのex-LMSから。

中央のTail Lampは、ブレーキホースとの干渉を避けるために少しオフセットされた位置に取り付けます。左右のTail Lampは柱の横にかける形です。どちらも取り付け金具がモールドされているので、それに合わせて貼り付けます。

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配線は、中央のTail Lampはピンバイスで穴を開けてそのまま床面をまっすぐ室内へ、左右については穴を開けずに柱に這わせる形で床面に下ろし、そこから室内に引き込みます。

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この状態で一旦試験点灯。使用した回路は1両目と同じです。

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次に電源を取る配線を床下から引き上げます。

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回路につないで、再びボディを被せてねじ止めすれば完成です。

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1両目と並べてパチリ。BachmannよりHornbyの方が作りがちゃちい... もとい簡素な分、加工もしやすい印象です。

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DCCによる制御

さて3両目、Oxford RailのGWR Toadですが、蒸機へのHead Lampの取り付けを見越して、後学のためにDCCによる制御に挑戦してみることにしました。

まずはLampの取り付けから。今回は3灯のTail Lampに加えて反対側にもう1つTail Lampを設置します。

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連結する向きに合わせて、どちら側のTail Lampを点灯させるかファンクションでオン/オフするわけですが、加えて赤灯、白灯を切り替えられるランプを使っているので、なんとかこの機能をうまく使いたい。Webの掲示板などを調べていたところ、白灯にした左右のランプ(Side Lamp)を前方方向(機関士)に対して使う用法があるようです。

  • 列車の終端位置を知らせる
  • 複数の線路がある場合、列車の入っている線路を知らせる

模型としてやる場合、ランプの向きを変えることはできませんが、連結する向きに合わせて赤灯、白灯切り替えることなら出来そうです。

そこで2つの点灯パターンを考えてみました。写真左が通常の3灯のTail Lamp、写真右が1灯のTail Lampに加えて2灯のSide Lampが前方に向けられているパターンです。

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こういう使われ方が正しいのかわからないですが、そこは模型故の制約として勘弁してもらうことにして、先に進みます。

抵抗を載せた配線を集約する基板を以下のように準備しました。左端の水色の囲みが、Common+を入力する場所、そして緑と紫の囲みが、それぞれDCCのAUX1, AUX2を接続する場所です。LEDへの配線はCommon+に陽極、点灯パターンに対応してAUX1もしくはAUX2に陰極を抵抗越しにそれぞれ接続します。

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一方、DCCデコーダーですが、今回はlaisdccから購入したNext18デコーダー(860015)とソケット基板(860031)を使いました。自作でDCCデコーダーを利用する場合、このソケット基板が非常に重要な部品です。

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裏面のパッドには以下の端子が引き出されています。十分な端子数です。

  • Rail L - 線路(L) )RailR
  • Rail R - 線路(R)
  • M+ - モーター(+)
  • M- - モーター(-)
  • FL - フロントライト
  • RL - リアライト
  • VF+ - Common+
  • F1 - AUX1
  • F2 - AUX2
  • F3 - AUX3
  • F4 - AUX4
  • LS - スピーカー(1)
  • LS - スピーカー(2)
  • GND - GND

利用する端子に対応するパッドから、配線を引き出します。

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床下の線路電源に配線をつなぎます。床下にもともと入っていたウェイト用金属板に穴を開ける術を持っていなかったので、代わりに板オモリを敷き詰めることにしました。

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こんなふうにNext18のソケットができました。ここだけみると美しい...。

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さらにこれに先ほどのLED接続用の回路をつなぎます。これでボディを嵌めれば完成... と思っていたら、トラブル発生。写真左側から室内に延びる配線が、❌の部分と干渉してしまうことがわかりました。

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隙間に押し込んでいけるかなとあれこれ試して、なんとかボディを嵌めるところまでできたのですが... 試験点灯させるとそのランプが点かない。あれれと再びボディを開けてみると、無残にもポリウレタン配線が引きちぎれていました...(;_;)

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しかたないので、あまりのランプに交換して作業再開。穴開けの位置を干渉しない位置(赤矢印)に変更して、配線の引き回し方も大きく変更(黄矢印)... 最初からこうすればヨカッタ。

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というわけで、最終状態。

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動作確認は動画でどうぞ。

本来であれば走行動画も載せたいところですが、実は問題があり... その話はこの次で。

(つづく)

Brake VanへのLamp取り付け(その2)

DCC Conceptsの部品届く

Hattonsに注文していたDCC Conceptsの部品が届きました。

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左から

  • Wiper Pickup DCF-WP12 (12個入り)£12.08
  • Shunting Lamp DML-LLBSL(6個入り)£18.33
  • Guard Van Lamp DML-LLBRW (6個入り)£17.92

です(価格はVAT抜き)。ちなみに、その上に写っているのはHornby R6980 GWR Siphonという牛乳運搬車ですが、今回の工作には何の関係もありません(^^;。

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Wiper Pickup(写真左)とShunting Lamp(写真右)

Wiper Pickupは、小さな基板上に集電用のシューを取り付けた部品で、シューを車輪の内側から押し当てて使用します。OO/HO ScaleのBack-to-Back(車輪の内側の間隔)14.5mmに合わせて作られていますが、シューの長さ的には、EMやP4でもおそらく利用可能と思われます。

Lampについては、Shunting LampとGuard Van Lampの2種類を買ってみました。ウェブサイト上ではその違いがよくわからなかったので、とりあえず1セットずつ買ってみたのですが、実物を見てもやっぱりちがいがよくわかりませんでした(^^;。

作りは非常に精巧で、小さなワイヤーで作られた把手はちゃんと動かすことができ、フックに引っ掛けてぶら下げるような使い方もできます(実用上は難しいかもしれませんが)。この中に極小のLEDが埋め込まれ、0.1mm径より少し細いポリウレタン線(説明書に記載はないが、ハンダで溶けると書いてあるのでおそらく)が3本結線され、底面から伸びています。

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3本の線は長い順に

  • 共通陽極
  • 赤灯用陰極
  • 白灯用陰極

となっていました。今回の用途だと、赤灯固定で白灯に切り替えて使う必要はないので、必要な色だけを結線して使うこともできます。

Lampの塗装

Lampの成形色は黒で、説明書には白く塗装するように書かれているのですが、ウェブサイトの写真などをみていると、白のものもあれば黒のものも、また緑や赤のものもあるようです。おそらく年代やリージョンでそれぞれ特徴があると思うのですが、見た目重視で半分を白に塗装して、半分はそのまま黒で使うことにしてみました(いつも時代考証をすっ飛ばすやり方ですんません...)。

エアブラシで塗装するために、レンズ部分にBlu Tackを付けてマスキングします。説明書では、マスキングなどは気にせず全体を塗装して、あとでレンズ部分の塗装をやすりで削ればよろし、的なことが書いてあったのですが、その通り受け取っていいのか悩んだ挙句に、念のためマスキングすることにしました。

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塗装前(写真左)と塗装後(写真右)

乾燥したらマスキングをはずして、レンズの周りの黒く残った部分を筆塗りで補修して完成です。

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Brake Vanの分解

部品の準備は整ったので、Brake Vanの分解から作業を始めます。対象のBrake Vanは、Llancot Railwayに所属する以下の3両です。

  • Bachmann Branchline 37-528D BR 20T Brake Van BR Grey (Early)
  • Hornby R6909 BR (ex LMS) 20T Brake Van M731456
  • Oxford Rail OR76TOB001 4-wheel 'Toad' brake van 17831 in GWR grey - Paddington
Bachmann Branchline 37-528D BR 20T Brake Van BR Grey (Early)

f:id:giovanni_ihatov:20210522131612j:plainまずボディと台枠にまたがって取り付けられている手摺類をはずします(赤矢印)。

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前後の手摺も黄色矢印の部分ではずせるはずなのですが、どうにもうまくいきません。ついには、こんなトラブルに...。

これ以上進めるのは無理と判断し、仕方なくはずすのはあきらめて、残りの手摺については組み立て時に再接着する前提で、赤バツの部分でカットしました。

続いてボディと台枠の間にマイナスの精密ドライバーを差し入れ、ボディ部分を台枠から浮かせるようにはずします(ねじ止めなどはされていない)。

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基本的に室内はがらんどうで、外からも見えにくいため、回路を押し込むには好都合です。

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Hornby R6909 BR (ex LMS) 20T Brake Van M731456

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こちらの分解は簡単でした。車体をひっくり返し、赤矢印の穴にあるネジ4本をはずすだけです。

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室内は外からほとんど見えないのですが、ブレーキハンドルとストーブが造作されていました。

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Oxford Rail OR76TOB001 4-wheel 'Toad' brake van 17831 in GWR grey - Paddington

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車体をひっくり返して車輪をはずしたあと、赤矢印の部分に嵌め込まれているフレームをはずします。

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次に連結器をNEMポケットごと取り外し、隠れていたネジをはずします(赤矢印)。反対側も同様に作業すると、ボディと台枠がはずれます。

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こちらも室内はほぼがらんどうなので、回路の設置場所には困らないでしょう。

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というわけで、3両ともなんとか分解完了。細かいパーツは少なく構造も単純なので、分解難易度は総じて低めでした。初めての改造にはもってこいですね。

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Wiper Pickupの取り付け

Lampを取り付けたい逸る気持ちを抑えて、先に集電装置であるWiper Pickupを取り付けます。車輪の裏面に集電シューがうまく当たる位置を探して、基板を台枠にゴム系接着剤で固定します。

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台枠は3両とも作りが違うので、設置場所に難儀するかなと思ったのですが、意外とどれも素直に取り付けることができました。

取り付けたあとはテスターで導通確認。金属車輪であればまず問題ないと思うのですが、Bachmannの車輪だけ塗装(?)の影響か導通しなかったので、集電シューが当たる部分をヤスリで削って対応しました。

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ヤスリ前(写真左)とヤスリ後(写真右)

あとは車輪がうまく回るように、シューの曲げ角度をいじって押し当て圧を調整してあげれば完了です。

Lampの取り付け

さてお待ちかねのLampの取り付けへと進みます。最初のターゲットに選んだのは、BachmannのBR 20T Brake Van。というのも、以下のYouTube動画に作例と詳しい作業手順が紹介されていたので、まずはこれを真似てみようというわけです。

このモデルでは写真(赤矢印)のようにLampの取り付けフックが表現されているので、この3箇所にLampを取り付けていくことになります。

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まずはセンターから。0.5mmのピンバイスで赤点線矢印の方向に穴を貫通させ、ポリウレタン線を通します。その後、瞬間接着剤でLampを固定します。

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両サイドのLampも同様に柱に穴あけを行い、ポリウレタン線を通した後にLampを固定します。

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通したポリウレタン線は、そのまま壁または柱に這わせて床面まで下ろし、室内に引き込みます。固定は瞬間接着剤を使用。一度接着すると、はずすのか困難なので慎重に。

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前回の報告で作成した基板にLED用の抵抗を載せ、ポリウレタン線の陽極、陰極を接続する端点を作ります。LEDに付属の抵抗は10K, 30K, 50KΩの3種類ありましたが、昼間照明でもはっきり見えて、夜間照明でもまぶしくない30KΩを採用しました。

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それぞれの端点にはんだで接合し、点灯試験。良好のようです。

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仕上げ

ここまでくればあとはラストスパート。Wiper Pickupからの集電を室内に引き込み、先ほどの基板の線路電源の入力端点にはんだ付けします。ここでも再び点灯テスト。問題なさそうです。

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嵌め込み前の最終状態。基板裏面は念のためアセテートテープで絶縁し、ポリウレタン線のあまりや基板を室内に放り込みます。

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台枠にボディを嵌め込めば完成です。

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では、試運転の様子を動画でどうぞ。

V字型3灯のテールランプはなかなか印象的で、止まっていても雰囲気があります。

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まずはひとつ完成。残りの2両に続きます。(つづく)