Little Paddington Railway第2期工事(その6)

Sound Installation

今回は音についてのお話です。

長らく離れていた鉄道模型を再開しようとした理由のひとつに「車両からリアルな音が鳴らせるようになった」ことがあります。

DCCによるデジタル化の恩恵の一つと言えますが、コマンドで発車ベルや警笛を鳴らせるのみならず、車両の速度変化に合わせてドラフト音、エンジン音やのモーター音、またブレーキ音やポイント通過時に発生するフランジ音まで様々な音を鳴らすことができます。音によりともすれば眺めることが多い鉄道模型運転の楽しみが格段に広がったと思いました。走っていなくてもアイドリング音が鳴るので、走行時だけでなく停車時の駅の情景を楽しむこともできるのも魅力でしょう。

英国のメーカーであるHornbyからは、レイアウトの留置線などに置いて環境音を鳴らすため貨車にサウンドを組み込んだものが出ていて、鉄道模型で音を楽しむことが普通になってきているという印象を受けます。

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まだ本格的に始める前にメディカルアートさんで蒸気機関車サウンドデモを見せていただいたのですが、実際に聞くとかなりの迫力で「やるならサウンド付きで!」と心に決めました。

音を鳴らすのにはいくつかの方法があります。

  1. メーカーでDCCサウンドデコーダーがあらかじめ装着された車両(DCC Sound Fitted)を購入する
  2. 売店(英国の車両であればHatton's, Olivia Trainsなど)でDCCサウンドデコーダーを付けてもらった車両を購入する
  3. DCCサウンドデコーダーを別途購入して自分で取り付ける

どれも仕上がりには大きな差異はないですが、1. が価格的には一番安上がりで済みます。ただし当然メーカーがDCCサウンド付きで出しているものは種類が限られるので、自分が欲しい形式のものがあるとは限りません。

2. は1. に比べて割高となりますが、主な機関車、気動車(DMU, DEMU)や電車(EMU)まで車両がDCC対応(DCC Ready)しているものであればほぼ対応してくれています。

3. は2. を自分でやるということになるので 2. に比べれば手間賃の分割安となります。

ちなみにDCCでないと音がならないのかというとそんなことはなくて、DCCサウンドデコーダーがアナログ運転に対応してればアナログでも走行時の音を鳴らすことができます。ただしDCC車両を走行可能なパワーパック(PWM制御でないもの)が必要です。またコマンドによる音(警笛など)を鳴らすことはできませんし、DCCデコーダーの動作に一定の電圧が必要となるため、低速での走行や音については割り切りが必要です。個人的にはオマケ機能ぐらいに考えておいたほうがいいと思います。

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 DCCサウンドデコーダーはESUなどのDCCデコーダーのメーカーが出していますが、あくまでデコーダーのみで音のデータは付属していません。つまり音データは別途用意する必要があります。

英国の車両であればHornbyがいくつかの形式向けに音付きのサウンドデコーダー(TTS Soundシリーズ)を販売しています。

またOlivia Trainsは膨大な形式向けの音のライブラリ保有しており、それらの音データをインストールした状態のサウンドデコーダーを販売しています。(Hatton'sはOlivia Trainsのサウンドデコーダーを使用している模様)

英国の車両に関してはOlivia Trainsのおかげでサウンド付きで楽しめる環境が整っていると言っても過言ではないでしょう。

最初に導入した蒸気機関車のClass 45xxとディーゼル機関車のClass 37については、2. の方法(Hatton'sでDCCサウンドオプションを付けて購入)だったのですが、この度導入したClass 47およびClass 221 Voyagerは3. の方法で挑戦してみました。

Vi Trains Class 47 InterCity Livery + Hornby R8103 TTS Sound Decoder - Class 47

まずはClass 47。Vi TrainsというイタリアのメーカーのものでDCC Ready(8pin)です。なんか箱がかっこいい。

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美しく収まっています。左手に見えるのは付属パーツ。最初の状態ではバッファも付いていません。仕上げは自分でやってね、というところでしょうか。そのための解説書も付いてます。確かにこれからボディを開け閉めしたりすることを考えると、一通りいじった後に付属パーツをつけられるようになっているというのは理に叶っているようにも思います。

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かわいいお顔。INTERCITYとスワローロゴがかっこいいです。いろんな塗装の中ではデザインとしてはこのInterCtiy Swallow Liveryが一番好き。

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一方DCCサウンドデコーダーはHornbyのClass 47のものを使いました。

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中身はこんな感じで、DCCサウンドデコーダーと28mmの丸型スピーカー、ガスケットが付いています。接続端子は8pinなので、未加工で接続できるはず。

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まずはボディーを開けます。特にねじ止めはされていないので、両脇各3箇所のプラスチックのツメを外せば簡単に取れます。

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内部はダイキャストのシャーシが大半を占めており、中央にモーター、その上に基板。シンプルな作りです。購入したものは中古品でしたが、HornbyのDCCデコーダーが付いていました。

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これをソケットから取り外して、先ほどのサウンドデコーダーをソケットに挿します。

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このまま一旦試運転。

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 やってみると拍子抜けするほど簡単でした。DCC Readyであればソケットの抜き差しだけで済むので、特別な技術は必要なさそうです(ソケット挿入にピンの向きだけ注意)。

これで完成...のはずでしたが、スピーカーがエンクロージャー無しなので、いまいちディーゼルっぽい迫力に欠ける感じです。YouTubeでいろいろ見ているとやはり同じことを思っているひとがいるらしく、低音が出るスピーカーに換装するビデオを見つけました。

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「じゃあやってみる?」ということで、UKのRoads and Railsというところから件のスピーカーMega Bass Speakerを取り寄せてみました。結構小さな店のようですが、1週間ほどで到着。

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まずはもとのスピーカーを外します。 

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Mega Bass Speakerの端子の先端を剥いて、サウンドデコーダーのコードと接続します。

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最初はスピーカーを2つ付けるつもりでしたが、どうも電流容量の上限にあたってデコーダーがリセットされてしまうので、結局1つにしました。

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さて、こいつをボディーに納めなくてはいけないのですが、スピーカーの角がボディの天井にあたってうまく閉まらない... ちょっと角をやすりで削って、なんとか無事収まりました。

 

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さて試運転。

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キマシタ!コレ、コレですよ。このやかましさ。スピーカーを変えるだけでここまで音が変わるとは驚きでした。

Road and Railsではいろいろなタイプのスピーカーを売っているので、用途やサイズに合わせて選べばよさそうです(下記ビデオ参照)。

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Bachmann Class 221 Voyager Cross Country Livery + Olivia Trains Class 220/221 Sound (ESU LokSound v4) 

さて次はBachmann Class 221 Voyagerです。こいつは8年ほど前の製品の中古品ですが、DCC Readyではありません。Hatton'sでもDCCサウンド付きのオプションは選べず、ひとまずDCCデコーダー付き(サウンドなし)で購入しました。

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Class 221向けのサウンドデコーダーはOlivia Trainsから購入しました。なんだかんだで到着まで10日間ほど。ESUのLokSound v4です。

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紙切れみたいなのwにサウンド機能リストが書かれています。入っているものはホントにこれだけです。

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さてモーター車である中間車にサウンドデコーダーを搭載することにします。両端の4本のネジを外してからボディ両脇各3箇所のプラスチックのツメを外します。真ん中にフライホイール付きのモーター、その上にHatton'sのDCCデコーダーが載っています。

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さすがにソケットはなく、デコーダーのリード線がはんだで直接集電のリード線とモーターに接続されています。

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まずはこれを取り外し。 

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代わってサウンドデコーダーをつけるため、まずは8 pinソケットを付けます。モデルランド田中さんから仕入れたもの。

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ここにサウンドデコーダを接続します。

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スピーカーは下向きにしてボディの天井につけて収めます。これで試運転。

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スピーカーは上向きより下向きの方が台車の隙間あたりから音が外に出やすいみたいです。以下おまけ動画。ディーゼルっていいですね。

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今回はここまでです。このClass 221 Voyagerは、そもそもサウンドデコーダーを取り付けるまでにいろいろトラブルがあったのですが、それはまたの機会に。

(つづく)