Little Paddington Railway第2期工事(その2)

Double Tracks

第2期工事つづいては複線化のお話。

第1期でのレイアウトは、以下の通り単線のエンドレスループ+待避線のバリエーションの範囲でした。つまり、2つの列車を運行するにはどちらかを待避線で停車させる必要があります。同時にぐるぐるさせることはできません。

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第2期工事では複線化して2列車同時にぐるぐるさせられるようにするのがゴールです。これが思いの外長い道のりになったのでした。

 

まず第1期のレイアウトをベースに素直に複線化してみました。

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このレイアウトの問題点は、内線と外線の間、駅に相当する部分にある中線(2番線)の使い勝手がよくないことです。複線の運行を左側通行(内線は左回り、外線は右回り)で考えると、中線に入るには外線であれば一旦内線、内線であれば一旦外線を通ってからでないと入ることができません。右側通行にした場合でも、やはり中線から出るときに同じ問題に当たります。しかし、これを解消するためのポイントを置く場所がもうないのです。

そこでKATOのユニトラックにはない、欧州系のメーカーが出しているカーブポイントの組み込みを検討しました。PECOのSetrackのカーブポイントを組み込むとすると、例えば以下のようなレイアウトを組むことができます。

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レイアウト左側のカーブ、駅の手前に一対(右開き+左開き)のカーブポイントを入れています。これで内線は外線に入らずに中線を使うことができるようになります。よさそうです。

これを実現するにはユニトラックとSetrackの接続処理を考える必要があります。ユニトラックは道床付きCODE 83、対するSetrackは道床なしCODE 100。ジョイナーと道床のいずれも取り回しが必要です。

まずジョイナーについて。世の中にはCODE 83 - 100をつなぐための変換ジョイナーというものがあるようで、AtlasというUSのメーカーのものをamazon.com経由で取り寄せることにしました。AtlasはUSの大手メーカーで、CODE 83がメインですがCODE 100の線路も出していて、よってもって変換ジョイナーの需要もあるということのようです。

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道床については、ユニトラックと以前ディスプレイ用に買ったSetrackを実際に並べて線路面が合う高さを実測し、最適と思われる5mm厚のコルクシートをひくことにしました。あちこちのホームセンターに問い合わせましたが、5mm厚のものを置いているのは東急ハンズだけでした。当然コルクシートは線路の形状にはなっていないので、大きめのコルクシートから線形に合わせて切り出すことになります。

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さてこれで理論的にはうまくいきそうですが、あとは組んでみてのお楽しみです。

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一応図面通り収まるところに収まりました。実際に試走させてみます。

 

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問題なさそうです!ちなみにユニトラックとSetrackの接続部分は以下のような感じになりました。

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ここで第2期完成のはずですが... 当然の帰結として。

 

「ユニトラック以外の線路も使えるならもっといけるんじゃね...?」

 

さらに図面を検討します。ここまで内線からは中線を使うことができましたが、外線からも入れるようにして共用とすることを考えます。具体的にはレイアウトの右側部分にも同じようなカーブポイントを入れてみることにします。

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これで左右ほぼ対称の線路配置となり、中線へのアクセスが内線からも外線からもできるようになりました。

さらにエンドレスループの中にあるヤードへのアクセスを外線からもできるように、レイアウト左側のヤード入口の手前カーブ部分に外線-内線の渡り線を追加します。

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最終的にはカーブポイントを7本投入するという大工事に発展しました。さすがにやりすぎですが、後悔はしていません!(そして余る大量のユニトラック...)

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ユニトラックHOは基本的に日本の16番ゲージユーザーおよび北米HOのマーケットを意識して作られているので、大レイアウト志向(実物志向)と思います。最近ではR=430mmやR=370mmといった小さなカーブも出ていますが、カーブポイントまではまだ製品化されていません。

一方でUKのメーカーであるHornby, Bachmann UK, PECOは小規模のスペースでも楽しめるような線路を出しています。カーブポイントも小規模のスペースで楽しむための必須のアイテムと言っていいでしょう。直線区間が長く取れ、かつ複線やヤードといった変化を楽しむことができます。

日本の住宅事情から言うと小規模のスペースでも楽しめる方向(欧州系)が合っていると思うのですが、そこはNゲージでということなのでしょうか...

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Setrackカーブポイントの非選択(non-power routing)化

DCCを使うレイアウトでは、基本的にポイントにおける電気配線は非選択式(non-power routing)として使用します。つまり開通方向に寄らず常時通電です。ユニトラックのポイントには裏側に選択式か非選択式を設定するネジ穴があり、いずれの方式にも対応しています。Setrackのカーブポイントはinsulfrogで選択式固定です。もちろんそのままでもDCCに使用できますが、開通方向にしか通電しないため、常時通電を期待しているような運用はできないことになります(サウンド、ライトなど)。そこでジャンパ線を飛ばして非選択式にする細工を行いました。

これが通常の配線。トングレールの当たる(赤矢印部分)方向だけ通電するようになっています。 

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以下の箇所にジャンパ線を飛ばして、トングレールの位置に関係なく通電させます。

 

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こんな感じでジャンパ線をレールの間に渡してハンダ付けしました。

 

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ちなみにハンダ付けをするのは久しぶり過ぎてあまり綺麗には仕上がりませんでしたが、裏面で見えるところではないので... いえ、精進します。

カーブの調整

もともとジオメトリの異なるユニトラックとSetrackを接続しなくてはいけないうえに、これだけカーブポイントを密集してつなげると、当然あちこち歪みがでてきます。特にClass 37のような3軸台車の場合、カーブの曲率が急変するとフランジがひっかかったり、最悪は脱線してしまいます。一旦図面通りに組んだあと試走させてみると、特に曲率のきつい内線のカーブポイント通過が問題となりました(実際脱線しまくった...)。

当初はレール同士をなるべく隙間のないように組んでいたのですが、レール接続部には少し隙間をもたせるようにしてなるべく曲率を和らげるようにし、なんども試走を繰り返したうえで、OKとなればズレないようにコルクシートの道床に固定。5mm厚しかないので画鋲でw主なところを固定しました。

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(つづく)