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マジカルミライ2015武道館ライブ〜初音ミク8年間の軌跡を辿る旅

というわけで、熱狂のSnow MIKU Live 2015から7か月。マジカルミライ2015武道館ライブに参加してきました。9/4(金), 5(土)計3公演のうち、9/4夜公演と9/5昼公演の2公演、存分にミクさんのライブを堪能しました。

3月に今年のマジカルミライのライブ会場が日本武道館と発表されたとき、正直「そっちの方向なの?」と驚きというよりは戸惑いを感じずにはいられませんでした。初参加となったマジカルミライ2014東京公演で感じた肩すかし感(一体感の欠如)とその後のZepp SapporoのSnow MIKUライブで感じた強烈な一体感を比べるにつけ、あるいは伝説の大感謝祭がTOKYO DOME CITY HALLであったことを考えてみても、多くても2,000 - 3,000人の規模の箱でやることが、本当の意味でミクさんのライブの醍醐味を味わうために必要なのでは、と感じていたからです。それが一気に武道館?ただ「武道館」というネームバリューが欲しかっただけなのでは?とそんな邪推をしてみたくもなるニュースでした。

それから半年。期待と不安が交錯する中、待望の日はやってきました。

終わってみると、今回のライブは武道館抜きには考えられないし、武道館だからこそ結実したといってもいいライブでした。

なぜ「武道館」だったのか、なぜ「武道館」でなくてはならなかったのか。

その答えはとても簡単で、ミュージシャンにとって日本武道館が日本での舞台の頂点であり憧れの場所だから。だからそこを目指すのだと。もし8年前の黎明期のファンに今回の武道館公演のことを伝えたら、誰もがきっと信じない、夢の中でしか存在しなかったミクさんの武道館でのライブ。多くのPやファンやスタッフが頭の中で何度も何度も夢想した、今年のライブはその夢の具現に他ならなかったと思います。あの場に集った全員でその夢の具現に思いをぶつけたことが今回のライブを特異なものにした、「マジカルミライ」の名にふさわしい魔法の舞台でのライブでした。Wアンコールラスト「ハジメテノオト」大合唱はその一つの証。一生忘れないと思います。

また純粋なライブの内容として見た場合でも今回のライブはとても満足度の高いものでした。

セットリスト

今回のセットリストは現在から過去への遡りような流れがあり、ちょうど表題に書いた8年間の軌跡を思い描けるようなものになっていたと思います。

試しにセットリストに各曲の発表年とライブ新曲に★を入れてみました。見てわかるようにライブ新曲は前半に集中していて、リピート曲(定番曲)は後半に配置されています。また発表年も最近のものほど前半に置かれて、後半になってようやく2010年ぐらいの曲が顔を出してきます。▲はマジカルミライ以前のライブ曲ですが、後半でもさらに後ろの方に配置されていることがわかります。

  1. 「Tell Your World」livetune (2012)
  2. ラズベリー*モンスター」HoneyWorks (2013) ★
  3. 「はじめまして地球人さん」ピノキオピー (2015) ★
  4. 「独りんぼエンヴィー」koyori(電ポルP) (2012) ★
  5. 「恋愛裁判」40mP (2014) ★
  6. 「聖槍爆裂ボーイ」れるりり (2013) ★
  7. 「ロストワンの号哭」Neru (2013) ★
  8. 「リモコン」じーざす (ワンダフル☆オポチュニティ!) (2011) ★
  9. 「Nostalogic」yuukiss (2014) ★
  10. 「スノーマン」halyosy (2014) ★
  11. 「エンヴィキャットウォーク」トーマ (2011) ★
  12. 「深海少女」ゆうゆ (2012)
  13. 「Sweet Devil」八王子P (2010)
  14. 「二次元ドリームフィーバー」PolyphonicBranch (2012)
  15. キャットフードdoriko (2010)
  16. 「アンハッピーリフレイン」wowaka (2011)
  17. 「ロミオとシンデレラ」doriko (2010)▲
  18. 「glow」keeno (2010)
  19. 「愛Dee」Mitchie M (2012) ★
  20. Just Be Friends」Dixie Flatline (2010)▲
  21. 「shake it!」emon (2012)
  22. 「Packaged」livetune (2008) ★
  23. 「ワールドイズマイン」ryo(supercell) (2009)▲
  24. 「ODDS&ENDS」ryo(supercell) (2012)
  25. 「Hand in Hand」livetune (2015) ★
  26. 「39」sasakure.UK×DECO*27 (2012)
  27. 「ハジメテノオト」malo (2010)★▲


「Packaged」「ワールドイズマイン」と来たときには、まさかの「メルト」砲で締めか!と若干期待する向きもありましたが、そこは普通に「ODDS&ENDS」でしたね。前半に固められたせいか、思いのほかたくさん新曲が入った印象。どれも当たりだったように思います。

ちなみにマジカルミライ3年連続当選を果たしたのは「Tell Your World」「深海少女」「Sweet Devil」「キャットフード」「glow」「ODDS&ENDS」「39」あたり。ここいらが中興の祖として今後の定番曲の扱いになっていくのでしょうか。逆に2014新曲だった「ワンダーランドと羊の歌」「EARTH DAY」あたりが早くも落選したことで、今後再演がどこかであるのか気になるところです。

イントロ、曲間、追い出し

昨年のマジカルミライ2014で特に不満だったのが曲以外の部分(イントロ、曲間、追い出し)のおざなりさだったのですが、今年は十分な演出と配慮が感じられました。

イントロは最近定番となりつつあるMIKU EXPOの流れを踏襲(イントロ曲ボリューム上げからライブタイトルロゴ)し、曲間は短く観客を冷めさせない疾走っぷり。追い出しもWアンコール後にミクさんが何度も何度も手を振ってくれたし、その後テーマ曲「Hand In Hand」をフルコーラスで流してくれて余韻を味わうのに十分な時間を持つことができました。

MCが使い回しだったり、バンドメンバー紹介にミクさんが絡まないなどライブ演出として物足りないところもあるにですが、その分出来る限りたくさんの曲を入れるという方向性は個人的には好みです。

モーション、モジュール

今回のライブで唯一の難点をあげるとすれば、新規モジュールが皆無だったこと。ラズベリー・モンスターあたりはSEGAのDIVA Xプロモーションの流れから期待していたのですが、残念でした。その代わりモーションに関しては細かい調整が入っていたよううに思います。個人的には「はじめまして地球人さん」のコミカルな動きは、ミクさんのまた別の一面でありとても気に入りました。

会場

純粋な箱として見た場合の日本武道館は、収容人数のわりに舞台が近くて正直リピートしてくれないかなと思うくらい満足でした。アリーナはまずどこでも当たりと思っていい距離でしたし、スタンドも舞台の遠さを感じる場所は少なかったと思います。

ただ音響については事前に難ありということは聞いていたのですが、そちらはちょっと想像以上に難ありだったと思います。9/4夜公演のアリーナでは特に問題はなかったのですが、9/5昼公演の1F東ではミクさんの歌とバンドの演奏が明らかにタイミングがズレて聞こえたことが何回がありました。そのあと東京MXのライブ中継の録画で確認した限り特にずれているようには聞こえなかったので、やはりスピーカーの配置と箱の問題で何かが起きているような気がします。

あとやはり正面から見る場合と横から見る場合の臨場感の差はいかんともしがたいですね。おそらくA席でも南東、南、南西の方がS席の東、西よりもずっとよかったはずです。そろそろ視野角で席のランク(S,A)を決めて欲しい気がします。

その他

やっぱり初回公演はネタバレがなくていいですね。曲間の独特の緊張感と曲がわかったときのどよめきはまさにライブでないと味わえないものです。最終公演に人気が集中するのはわかるですが、それと同じぐらい初回公演はよいです。絶対オススメです。

おわりに

武道館公演を無事終えた「マジカルミライ」そしてミクさんライブの行方は誰にもわかりません。SEGAProject DIVAの販促イベントとしてはじまったミクさんライブは、その後のクリプトン主催のファンイベント「マジカルミライ」に再構成され、試行錯誤を繰り返して今年の武道館公演に至りました。ミクさんライブそのものが試行錯誤の産物であり初音ミクをめぐるカルチャーのドライバーであって欲しいと思います。なので、来年もぜひ武道館で!とは言いません。願わくは今度武道館に戻ってきたときにみんなで「ハジメテノオト」を唄い、今年の武道館公演からの軌跡をまた振り返ることができたら、なんてことをまた夢想しつつ次のライブもまた楽しみたいです。